額縁用語辞典
アートレール
ピクチャーレールの呼び名の方が一般的。
ワイヤー自在と組み合わせて、額縁の横移動・縦移動が可能になる便利なアイテム。額吊金具を打ち直す必要が無いので、額を飾り換えるときに重宝する。飾り換えの多い美術館などには必須の設備。
設置に大掛かりな工事が必要そうだが、後付け専用のアートレールも販売されている。こちらの商品は取り付けの簡単さがポイント。女性でも簡単に設置できる。アーカイバルコルゲート
作品の劣化を起こす有害物質を吸着するベンブリッジ社製のダンボール状のボードのこと。厚み調整材として額縁の中に入れて使うのが一般的。
基本的に額縁の中は密閉されているが、作品を傷める物質は額縁の塗料、裏板、もしくは作品自身から発生することがある。アーカイバルコルゲートは額縁内の空間を調整し、長期にわたる保存額装を可能にする。青紙
裏板や額縁の裏に貼る緑色の紙のこと。生地部分を隠して化粧する。化粧の他、強度を高める意味合いもある。日焼けしやすい。
日本では青紙を貼るのはごく普通だが、海外では額縁の裏にこういった作業を加えることは珍しい。海外から持ち帰った額縁をバラしてみるとわかるが、額縁の裏面など、見えない部分はとことん簡単に作られている。わざわざ紙に糊を付けて貼り付ける、ほぼ見た目だけのこういった作業は日本ならではである。青紙仕上げ
裏板のベニヤ板、ドロ足などに青紙を貼って木地を隠すこと。裏板はプラスティックダンボールが主流になりつつあるが、プラスティックダンボールに青紙は普通貼らない。ちなみに何も貼らないことを素地という。
青紙仕上げは基本的に化粧のためだが、布張りをして化粧することもある。当然価格は高くなる。見栄えは良くなるが、基本的に裏側の見えない部分のため、価値が見合うかは微妙なところ。アクリル絵の具
アクリル樹脂を固着材に用いた絵の具のこと。水に溶けて扱いが容易で、乾けば耐水となる。固着力が大きく、伸縮性もあることから紙、主にキャンバスに描くが、それ以外にもさまざまな基底材に描くことが可能。Tシャツや帽子に描くことも多い。
アクリル樹脂が含まれる性質上、素材を同じくするアクリル板と密着すると癒着してしまうことがある。こうなると全く剥がすことが不可能になり、作品が完全に駄目になるので注意する。額装する際は、アクリルと作品の間に空間を作ること。アクリル
ただ単純に『アクリル』というと、表面素材のアクリルを指すことが多い。アクリルは額縁の前面カバーとして使われる。
透明度が高い、軽くて割れにくい、紫外線も大幅にカットするなど多くのメリットを持つ。反面、ガラスに比べ傷が付きやすく、若干高価である。また温度によって若干ながら伸縮する。アクリル絵の具と癒着する恐れもある。
基本的にはガラスの上位互換で、ガラスに代わって額縁への採用が増え続けている。アクリルガラス
額縁の表面素材としてのアクリルのこと。アクリルの別の呼び名。額縁の前面カバーとして使われる。
一昔前、『アクリル』という呼び名がいまひとつ浸透する前に使われていた。ガラスという言葉を付けることで、品物のイメージをしやすくしたのであろう。今となってはガラスとアクリルを混同、誤解する原因になってしまったかもしれない。
アクリルは透明度が高い。軽くて割れにくい。紫外線も大幅にカットするなどの多くのメリットを持つ。現状では表面素材はアクリルが中心になった。ガラスは縮小の一途で、傷に対する強靭さが必要な場合など、ニッチな需要を満たす存在になっている。アクリル兼用キャンバス
アクリルの固着力の強いキャンバスのこと。油彩用キャンバスが亜麻100%で作られているのに対し、アクリル兼用キャンバスは綿やポリエステルが混紡されていることが多い。
一昔前の油彩専用キャンバスとアクリル兼用が明確に分かれていたが、最近の油彩用キャンバスはアクリル兼用であることも多い。アクリルの固着力が弱いキャンバスは、表面をサンドペーパーなどで処理すると使えるようになるかもしれない。サンドペーパーを掛けることで、アクリル絵の具をはじく表面のコーティングが剥がれるためだと思われる。アクリル板
額縁の前面カバーとして使われる。透明度が高く、軽くて割れにくい。紫外線も大幅にカットする。反面、ガラスに比べ傷が付きやすく、若干高価。また温度によって伸縮するので適正なゆとりが必要。アクリル絵の具と癒着する恐れもある。
当店で扱うアクリルは、1.8ミリ~2.0ミリ~3ミリ厚のアクリル板である。例えば5ミリ厚のアクリルなどをご希望の場合、当店では販売できない。3ミリ以上の厚さのアクリルは、額縁の表面素材として使うには重さなどから現実的ではない。アクリルボックス
アクリル板でできた透明のケース。人形などを飾るのに使われる。昔はガラスケースが主だったが、危険の少ないアクリルケースが主流になりつつある。
実店舗ではアクリルケースの販売も可能だが、通販では配送の問題がクリアできずに実現できていない。厚み調整材
額縁の深さを埋めるために入っている素材のこと。ダンボールや発泡スチロールが主に使われる。
主にデッサン額に入っているが、厚み調整剤を全て抜けば『フレーム深さ -ガラスの厚さ(アクリル) - 裏板の厚さ』で余った厚さ分までの品物が入るということ。マットを付ける場合はさらにマットの厚さを考えなければならないが、意外と『薄いものを入れるデッサン額』にも、そこそこの厚さまでの品物が入る。油絵額
油絵用の額縁。油絵は通常木枠に張られており厚み(20~25ミリ)がある。このため、油絵額は厚みのあるものが入るように作られている。サイズは絵画の規格サイズに準じて作られている。
キャンバスやパネルがすっぽりと納まる構造から、適正でない寸法の額縁は完全に使えない。デッサン額のようにマットで調整するということも難しく、特殊サイズのキャンバス、パネルは額縁を探すのに苦労する。『オーダーフレームのご注文』から、油絵額のオーダーサイズも注文が可能である。亜麻
キャンバスの布地に使われる植物の名前。麻より柔らかく、かつ強靭。亜麻の繊維を原料とした織物を、リンネル、リネンとも呼ぶ。
ちなみに筆者はリンネル素材のバスタオルを愛用している。綿素材に比べると薄く頼りないが、『10年後、20年後の使用感が格別!』という売り文句が気に入った。すでに7~8年目に突入したが感動にはまだいたっていない。アンカー
アンカーボルトの略。材に打ち込んで、釘やネジを固定する物。さまざまな種類がある。
ネジを打ち込んでもぼろぼろと崩れてしまう材質の壁に、土台として打ち込む。主なものとしては石膏ボード用、コンクリート用など。石膏ボードの場合、『額吊金具・Jフック』で事足りることが多いため、あまりアンカーを打ち込むことはおすすめしない。コンクリートの場合は、コンクリートドリルでアンカー用の下穴を開ける必要がある。コンクリートドリルが必要なことからも、専門知識のある人間が行うべき作業となる。イーゼル
画架。絵を描くときにキャンバスを載せて固定する台。額縁を乗せてディスプレイにも使える。
ディスプレイ用のイーゼルは構造もシンプルで、例えばキャンバスを押さえるパーツが付いていないことが多い。製作用のイーゼルは、筆の動きでキャンバスが動くことの無いよう、キャンバスを上下で押さえることは必須。
作品押さえがないと風などにも弱い。額縁裏の紐をうまく利用して、イーゼルに固定するといいだろう。位記
位階を授けられる者に、その旨を書き記して与えられる証書。サイズは位階によって、225×304、213×297に分かれる。
額縁のタカハシでお作りする位記額は、ワンサイズでどちらのサイズの位記にも共通としている。当然、大きい位記に合わせた額縁となっているのだが、これでは小さい位記の寸法が合わずにずれてしまいそうだ。しかしながら、213×297の位記は紙の余白が全く無く文字が書かれている。正直に213×297で額縁を作ると、必ず字が切れる部分が出る。ワンサイズで楽だからではなく、意味があって額縁の寸法を決めているので誤解のなきよう。板吊(いたつり)
吊金具で、形状が一枚の板状のもののこと。紐を通して使う。小サイズからある程度の大サイズまで幅広く使われている。
紐の対荷重は板吊を取り付けるネジの長さに依存する。長ければ長いほど安心だが、あまりにも長いとフレーム表面にネジが飛び出る。板吊は額縁の完成、その直前に取り付けられるが、もしフレームの表までネジを売ってしまった場合は全て台無しである。いぶし
箔を薬品で黒ずませてから磨き出す額縁の仕上げのこと。またはそういった色。
正確ないぶし色は上記の通りだが、当店のサイトではもう少し広義の意味で『いぶし』を扱っている。オーダーフレームの一覧からだと『古代色』がいぶし色扱いといってよい。要は古めかしい色、くすんだ色、アンティーク風といったイメージ。入子
額縁表面のガラス、もしくはアクリルと作品の間に空間を作るための材。画像は出展用仮縁のオプションパーツ、Bタイプ入子である。
作品と表面素材の密着は、作品が潰れることによる見栄えの悪化、表面素材と作品が癒着することによる作品のダメージに繋がる。特にアクリル画は癒着が起き易いので注意が必要だ。出展用仮縁のオプションパーツ、Bタイプ入子の場合、ちらりと金、もしくは銀のラインがフレーム内側に入るので、額装にコントラストも生まれる。岩絵具
日本画材料として使われる顔料のこと。天然岩絵具と、新岩岩絵具、合成岩絵具がある。粉末状の顔料で固着力がないため、膠と合わせて使う。
天然岩絵具は平たく言えば宝石を砕いて顔料としたもの。当然ながら高価である。新岩岩絵具は釉薬と金属酸化物を高温焼成して製造する、着色ガラスの粉末。『新』などと呼ばれるため誤解されやすいが、すでに60年以上の歴史を持つ高品質の顔料である。一方、方解末に染料を付けた合成岩絵具は、耐熱性や対候性に難がある。岩野平三郎製紙所
越前和紙古来の紙漉き模様である「打雲」「飛雲」「水玉」の技術を今に継承する。その手によって漉かれた紙は、平山郁夫画伯、東山魁夷画伯といった多くの日本画家に愛用されている。日本画用基底材の最高峰、雲肌麻紙が有名。
当店の雲肌麻紙製品は、岩野平三郎製紙所から取り寄せた雲肌麻紙を自社製造でパネル、ボードに加工した品。実店舗でも好評をいただいている自信の一品である。浮かし材
ガラス(アクリル)と裏板の間で深さを保つ部材。深さを支えるパーツのこと。浮かし材が無いとガラスと裏板が固定されずに動いてしまう。平たく言えばガラス(アクリル)と裏板を押さえるつっかえ棒。(棒ではないが)
立体額のアートボックスなどには板状の浮かし材があらかじめ付属している。内寸
フレーム内寸法のこと。額縁の寸法は、普通この内寸で表す。
額縁全体の大きさを表すのは『外寸』と呼ぶが、外寸は参考にされず、表記自体もされないことが多い。外寸を額縁業界が嫌がる理由は、外寸法がフレームの太さに依存し、変わってしまうからである。つまり同じA4サイズ用の額縁だとしても、フレームが太ければ額縁が大きく、フレームが細ければ小さくなる。同じサイズ用の額縁にも関わらず、いちいち違う寸法で考えなくてはいけないのは面倒極まりない。内寸法基準だったらA4用は必ず一定である。裏板
額縁の裏側を塞ぎ、埃や湿気から作品を守る板。
額縁の構造により、裏板には種類がある。例えば、額縁に深さがあり、深さを埋める必要がある場合は片面パネルが、裏板に強度が必要な場合は両面パネルとなったりする。最も一般的なのは一枚物の板だ。板の素材としてはベニヤ、MDF、プラスチックダンボールなどが採用されている。
裏板には青紙を張ったり、場合によっては布張りして化粧する。いかにも日本人らしい非常に丁寧な仕事だ。外国ではこのような化粧が行われるはほぼ無く、作品を釘で打ちつけて固定し、裏板自体付属しない額縁などもざらにある。当社で作る額縁も、油絵額の大サイズなどは軽量化の意味もあって裏板は付属しない。裏板止め金具
裏板を止めるための金具のこと。トンボ、つの字、サルコ、メガネトンボ、段付金具など。
最も一般的なのはトンボ。ネジ止めがしてあってくるくる回る。あまりくるくるしすぎるとネジが緩み、肝心の裏板を押さえる役目を果たせなくなるので注意。ネジを締めなおせば簡単に復活する。
裏板を押さえる以外に、額縁の強度を高める役割もある。そういった用途に使われるのは、つの字、メガネトンボなどである。これらはトンボと違って金具両端にネジ穴があり、フレーム裏面、裏板の両方をネジで留めてしまう。裏板を外すときに、片側のネジを外す手間があるが、フレームが裏板に固定されることで強度が増す。裏打ち
水墨画や書の裏にもう一枚紙を貼り付け、作品のしわやたるみをなくすこと。表具師の全ての作業の基本となる。アイロンで手軽に行う専用の裏打ちシートもある。
裏打ちはその工程で、作品に霧吹きで水を打つ。紙が水を吸うことで起きる収縮で、紙のしわやゆがみをただすためである。水を打たない裏打ちも一応可能ではあるが、しわの伸ばしが不完全になる可能性が高い。
水を打つという作業のため、水彩画など、水に流れる恐れのある作品は基本的に裏打ちができない。水彩画は紙のゆがみが激しいため、ゆがみを正せる裏打ちができればと思うが残念なことだ。水彩画は紙のゆがみも含めて楽しむべきものなのだそうだ。漆塗り
漆の木から採取した樹液を原料とする塗料のこと。漆塗りは熱や湿気、酸、アルカリにも強く、腐敗防止、防虫の効果もあるため、食器や家具に適している。
一方、紫外線を受けると劣化し、極度の乾燥状態に長期間曝すと、ひび割れたり、剥れたり、崩れたりする。
伝統工芸品として長い歴史を持つ漆塗りだが、同じような仕上がりのカシュー塗りに対して扱いが難しく徐々に衰退している。世の中に出回っている『漆塗り製品』はカシュー塗りであることも多く、当社の『ケースも飾れる叙勲額・NR20』もカシュー塗りの額縁である。上乗せ加工
マットに窓を開けず、作品をマットに載せて額縁に入れる方法。窓抜き加工に対して欠点も多いが、パピルス、手漉きの和紙などでは紙の質感を楽しめるため、あえて用いることも多い。
上乗せ加工は作品の大きさが多少変わっても入替えができる、作品本紙を全く隠さず鑑賞できるなどのメリットがある。一方、額装に奥行きが生まれない、表面素材と作品が密着してしまうなどのデメリットがある。絵絹
日本画を描くのに用いる平織りで薄地の絹織物。にじみ止めに礬水(どうさ)をひく。虫食いに注意。
絹の厚さ(縦糸の種類)により様々な呼び名があるが、どの厚さの絵絹でも木枠などに固定してから使う。そのままでは筆の動きに耐えられるだけの強度が無い。完成後は木枠から外し、裏打ちを経て掛け軸や額縁に入れて飾る。エスタンプ
アーティストが版画にすることを前提として制作していない作品を、版画の技法で第三者が複製したもの。もちろん作者、もしくは作者の遺族の了承を得て製作されるが、オリジナル版画とは作品の意味合いが全く異なる。
エッチング
銅版に蝋(ろう)を主剤とする防食剤を塗り、針などで彫り、露出した銅面を硝酸などで腐食させて凹版を作る技法。
エディション
主に版画の限定枚数のこと。正確にはリミテッド・エディション。サインと合わせて『15/200』などとかかれていれば、限定200部であるという意味。
勘違いされやすいが、分子の数字にさしたる意味は無く、数字が少ないから価値が高いといったことは基本的に無い。限定200部だとしても、仕上がりが悪いものなど含めれば実際に刷った枚数には余裕がある。ボツも含めた全ての枚数から、限定200部を選別する過程で何番目に合格した、というように考えると良いかもしれない。順番に判断して順番に番号を振るだけなので、何番だから美しいといった優越はつきようが無いのである。(たぶん)Fサイズ
絵画の規格寸法のひとつ。他にもPサイズ、Mサイズがあるが、Fサイズがもっとも使われる。
絵画寸法は3号、6号、50号などと『号』を付けて呼ばれ、その数字がさらに4つのサイズに分類される。具体的に言うと6号には、F6号、P6号、M6号、S6号の4種類がある。3号、50号なども同様。単純に15号というと普通はF15号を指す。
この絵画寸法は日本独自で、海外のサイズとは共通しない。Mサイズ
絵画の規格寸法のひとつ。海を書くのに適した、Fサイズに比べて最も横長なサイズ。他にもFサイズ、Pサイズがある。
絵画寸法のF、P、M、Sの中では最もマイナーなのがMサイズ。いわゆる絵画らしい寸法とは違う横長で、Mサイズの絵も雰囲気が変わって面白いのだが、いかんせんMサイズの額縁はほとんど販売されていない。メーカー製の安価な油絵額はほとんど無いので、特注扱いの油絵額を作ることが多い。MDF
木材を繊維状にほぐし、接着剤などを配合してボードに成型した繊維板のこと。欧米において木質資源の有効活用を図るために発達し、日本において、木材資源の枯渇から利用が広がっている。
木材(ムク材)に対して、品質の均一性に優れ、加工も容易。特筆すべきは木材特有の反り、ひび割れなどが生じにくい点。また、接着剤や溶剤、木材チップの種類を変化させると違う性質を持ったMDFとなる。日々進化する材料であり、注目する価値がある材料だ。MO判
デッサン額縁の規格サイズの一つ。かなり多きめのサイズで、額縁の種類は限られる。およそ700×900。
MO水彩紙の中判サイズ(560×760)をマットを付けて額装するときに適したサイズとして生まれたようだ。円形額縁
円形の額縁のこと。普通の額縁のように棹を使って組むことができないので、あまり多くの種類は見られない。現状では数種類の既製品が出回っている程度。
円形額の特注サイズを作るとすると、極端な話、材木をくり貫いて形作っていく必要がある。棒状の棹を任意の長さにカットし、組み立てて作れる四角、もしくは六角形などの額縁とは訳が違う。ほぼオーダーで作ることは不可能といってよい。
円形額の代わりとして、マットの円形窓抜き加工がある。マットの窓抜きは容易なので、例えば正円の作品を正方形の額縁に、円形窓抜きしたマットで額装することが可能である。塩ビ
ポスターフレームによく使われる、透明の薄いカバーのこと。見た目はアクリルに似るが、黄変が避けられず、傷にとても弱い。また、直射日光による変形もしやすい。
アクリルに比べて安価なため、価格競争の激しいポスターフレームで主に採用されている。表面素材にこだわりが無く、塩ビの透明シートのみでの販売のお問い合わせがたまにあるが、当社の工場に塩ビシートの在庫は無い。
塩ビシートの価格メリットが生きるのは、ポスターフレームなどの大量生産品だけのようで、単品で買おうとすると塩ビの価格もアクリルの価格も大差ないことがほとんど。アクリルに比べると塩ビの単品販売はほとんど無く、前述のようにデメリットが目立つ品物のため、探し回るよりも素直にアクリルにしておくほうが無難である。オリジナル版画
版画製作の過程全てに、原作者の意図が表現された版画のこと。原作者もしくは版権を持つ者が、版画の下方にサインと限定番号を記入するのが通常。エスタンプに対して、最初から版画作品として製作されるのが普通。
エスタンプが平たく言えば複製画なのに対し、オリジナル版画は複製品とは呼ばない。オリジナル版画そのものが作者の目指す完成品そのものである。かかり
額縁のフレーム部分の、ガラス等が引っかかる部分。5ミリ程度が普通だがフレームによって違う。
額縁の大きさの基準である、フレーム内寸法が理解されにくい原因のひとつ。表から見た見える部分と、フレーム内寸法は異なるが、表から見た寸法はこのフレームかかりの分フレーム内寸法よりも狭くなる。
構造上ありえないが、フレーム内寸法が額縁正面からみた大きさと等しかったら、額縁のことが全くわからない人の寸法間違えも激減するだろう。実際はこのかかり部分が無いとガラスや作品を物理的に固定できない。額受金具
目線よりも高い位置に額縁を飾る際、角度を付けて鑑賞し易くするための金具。主に和室で使う。
あくまでも頭上に飾るときに必要な金具で、目線に額縁を飾るなら全く必要ない。むしろ邪魔になる。飾るときの支えとして必要だと思うかもしれないが、額受金具に重量を支えてもらうより、紐を引っ掛ける額吊金具をしっかり取り付けるのが先決。額吊金具が適性なら、ほとんどの場合で額受金具は必要ない。額装
作品に合わせた額縁を選び、額縁に収めること。作品に合った額縁を選ぶことが肝心。
『作品に合った額縁』というと、額縁のデザインだけに目が行きがちだが、額縁屋からすると品物の形状、厚さなどに対して適正な額縁か。ということがまず頭に浮かぶ。額のデザインが気に入ったとしても作品が納められなければどうにもならない。額縁
絵画、書、その他を鑑賞目的で飾る縁のこと。
額縁は四辺を囲うフレーム、表面素材であるガラスやアクリル、作品を後ろから押さえる裏板が基本的な構造となる。この3つの部材を基本とし、さらには額装マットやマット材、浮かし材などが作品に合わせて追加される。
世の中の変遷に比べると非常にゆっくりではあるが、デザインの流行・廃りもある。現在はよりライトなもの、細めのフレームであったり、軽めの色合いが好まれるようだ。隠し落款
画面の樹葉や岩石などの中に紛れさせて行うわれた落款のこと。主として中国の宋時代の絵画に見られる。自分が作者であるなら落款は目立つ位置にビシッといきたいところだ。
実は落款を押すのはかなり気を使い、それなりに慣れが必要だ。額縁屋で店番をしていると、たまに『代わりに押して』などといって印を持ってくるお客さまがいる。こういった場合、店員はまず間違いなくお断りする。落款は作品の最後の仕上げ。二重にでもなってしまったら作品が台無しである。お客さまには創作活動の一部、最終仕上げであることをお話し、お客さまに押していただく。額立て
床の間などに置き、額縁を立てかけて飾るための台。震災以降、かなり需要が増えたように思われる。
額立てを使うのは主に賞状額などであろう。昔ながらの住居では、和室の鴨居や長押に賞状を飾るのが主であった。現在の住宅事情だと、長押や鴨居自体が無い住居も多いのでこういった額立てを使うとよいだろう。サイドボードなどの上に手軽に額縁を飾れる。掛け軸
主に書や水墨画を裂(きれ)や紙で表装して、床の間などで鑑賞するもの。
額縁と同じく、書や絵画を飾るものだが、作品本紙が剥き出しである事が欠点。日焼けや虫による汚れの影響をもろに受ける。年月が経って汚れるのは必然で、表具師による洗濯、再表装を行ってきれいに仕立て直すことが可能である。
掛け軸と額縁、どちらが優れているかの優劣はない。掛け軸には掛け軸の良さがある。例えば飾り替えが容易で、保管場所のスペースもとらない。もともと掛け軸自体に、季節に合わせて楽しむべきという側面もある。カシュー
カシュ-ナッツの殻から搾りだした油を原料とする塗料のこと。
漆のように肌がかぶれる性質はなく、塗り上がりが平滑で、吹き付け塗装も可能なことから扱いやすい。ふっくらとした肉持ち感溢れる仕上がりで、光沢あふれる塗膜は一見漆と見分けがつかない。
古来より伝わる漆塗りに代わり、カシュー漆として多く出回っている。当店で扱う、『勲記勲章額・NR20型』もカシュー塗りの額縁である。艶やかな漆黒の色合いは、吸い込まれそうになるほど深く、美しい。化繊キャンバス
亜麻によるキャンバス、綿キャンバスにくらべ、コストパフォーマンスに優れるキャンバス。表面に地塗り剤が塗られ、油彩・アクリル両方に使用できることが多い。耐久性、風合いに劣るため、あくまでも入門用としての使用するのが望ましい。
片面パネル
桟を取り付けて強度を増したベニヤ板のこと。紙を貼り付けて展示に使ったり、水彩紙や和紙を張り付けて絵画制作に使ったりする。ベニヤ板そのものに絵を描くこともある。
紙を張りこむ場合は紙の伸縮によってパネルが反ることがある。紙の収縮力はとても強く、板の反りは表面に描かれた作品のダメージに直結する。桟の太さや本数を吟味し、充分な強度を確保することが大切である。ガッシュ
不透明水彩絵の具のひとつ。つやのない、しっとりした色調。グアッシュとも呼ぶ。小学校などで使う絵の具・ポスターカラーは、このガッシュに性質が近い。
不透明水彩に対し透明水彩があるが、透明水彩に対し重厚で力強い作品に仕上がる。
透明水彩との最もわかりやすい違いとしては、紙の色、紙の質感が透けて見えないこと。透明水彩は紙の色、その透け具合も含めて仕上げる必要がある。かぶせ箱
弁当箱タイプの箱のこと。額縁に最も一般的に使われる、蓋と身で分かれる形状である。
箱の一面が開く形状の挿し箱に対し、若干強度が弱い。ただ強度が必要になる大サイズの場合、挿し箱だと額縁の出し入れが困難になり使えない。
美術館でもない限り、大きな箱が残っても保管場所に難儀するであろう。あまり大きな額縁には箱を付けずに、コーナーカバーなどでうまく対処することがおすすめである。
箱の在庫についてよく質問をされるが、どのサイズが必要になるかもわからない箱の在庫は置き様が無い。箱の注文は必ずオーダー製作になる。たかが箱だがそれなりの金額がしてしまう。鴨居
和室で、襖や障子を立て込むための上枠。下枠の敷居と対になる。上部に溝がある長押(なげし)とは異なる。専用の金具で遺影などを飾れる。
鴨居の上に額縁を直接乗せて額受けの代わりとすることがあるが、鴨居本来の役割では無い。鴨居はふすまなどを支える部材であり、何かが乗ることは全く想定されていない。引っかかりも全く無いので、簡単にずれて落ちる。ガラス押さえ
額縁表面のガラス、もしくはアクリルと作品の間に空間を作るための材。
立体額には欠かせない重要なパーツ。額縁内部の空間を、ガラスと裏板を動かないように押えて確保している。『立体額・アートボックス』のように、ガラス押さえ(深さを支えるパーツ)が付属した額縁もあるが、専用のガラス押さえでなくても工夫すれば額縁内部の深さを確保することは可能。マットを立てる、厚み調整剤のダンボールをくり貫くなど、深さがそれほど必要ないなら比較的簡単に作れる。ガラスケース
ガラスでできた透明のケース。人形などを飾るのに使われる。アクリルケースが使われるようになってからは、重さと安全性から敬遠されがち。転んで突っ込んだときのことを考えると恐ろしい。
割れにくいアクリルケースでも同様だが、配送の危険がクリアできないため、当店でのネット販売は難しい。カンバス
張りキャンバスのこと。油彩やアクリル画に使う支持体のこと。杉、桐などでできた木枠に、亜麻などの布をぴんと張って作る。
キャンバスが使われるまでは板に直接描くのが主流だったようだ。1400年位からキャンバスが使われ始め、以来600年以上も油彩の支持体として使われ続けてきた。最近ではアクリル画の支持体としても使われている。顔料
着色に用いる粉末で、水や油に溶けないものの総称。水干絵具、岩絵の具など。水に溶けるものは染料と呼ぶ。そのままでは基底材に付かないため、膠などの固着材が必要になる。
金具
額縁に関連する金具は大きく分けて4つある。壁面に取り付けて額の紐を引っ掛ける金具、裏板を固定するための金具、額縁の裏にまわす紐を通すための金具、額縁を飾るときに傾斜を付ける額受金具だ。
壁面に取り付ける金具はもちろんだが、裏板固定金具や紐を通すための金具も単品販売している。自作の額縁に使ったり、何らかの理由で金具を取り替えるときに利用できる。ガラス
額縁の前面カバーとして使われる。重さ、透明度、割れやすさでアクリル板に劣る。紫外線もカットできない。特に重さはアクリルの約2倍で、大きい額縁には不向き。とはいえ、傷が付きにくく、膨らみにくいことからガラスが適する場合もある。
昔の粗悪なアクリルのイメージがあるせいか、ガラスはお年寄りに好まれることが多い。いくつかのメリット、デメリットがあるとはいえ、基本的にガラスはアクリルの下位互換と言ってよい。特別な理由が無い限り、ガラスの選択はおすすめしない。仮額
出展額縁ともいう。金属でできた、裏板、前面カバーのない額縁のこと。
軽さと丈夫さに優れ、主に展示会用に使われる。また金属製の丈夫さから、特大の作品を額装するときにも重宝する。
通常、キャンバスかパネル状の作品を入れる。紙の作品にはそのままでは使えない。
運ぶときにぶつけたりすると額縁は簡単に傷つく。特に木製の額縁はフレームの色落ち、欠けなどが簡単に起こってしまう。金属製の仮縁だと、若干のへこみはあるにせよ衝撃に強い。木製の額縁は家で飾るとき向けにとっておいて、移動の多い展示会には仮額を使うのが賢い選択だ。仮縁
出展額縁ともいう。金属でできた、裏板、前面カバーのない額縁のこと。軽さと丈夫さに優れ、主に展示作品に使われる。通常、キャンバスかパネル状の作品を入れる。金属製の丈夫さから、特大の作品を額装するときにも重宝する。
余談だが展示会などで大き目の額縁を多数運ぶとき、額縁の積み方を誤ると全ての額縁が傷ついてしまう。特に額縁を平積みするのはご法度だ。平積みすると額縁同士が擦れあい、傷が広範囲に必ず付く。平積みしてしまってはどんな固定も無意味で、傷は避けられない。
額縁の正しい積み方は、隙間無く立てて置くことだ。大きさの近いものをセットとし、顔合わせにする。ぶつかり合う部分にダンシートなどを当てるのも有効だ。積み終えたら壁に押し付けるように縛ること。乾式裏打ち
ドライマウントと、熱によって溶ける糊がついたシートを使ってする裏打ちのこと。風合いは湿式裏打ちに劣り、一度裏打ちしてしまうと剥ぐのは困難だが、安価で行える。アイロンを使って裏打ちができるシートの単品販売もある。
ドライマウントとは、平たく言うと大きなアイロン。作品に対し、均等に熱と圧力を加えられる。ドライマウントの代わりに自宅のアイロンを使う場合、この『均等な熱と圧力を加える』というのがとても難しい。中心から放射状に、しわを逃がすようなイメージで裏打ちしていくのがコツだ。寒色
青、青緑、緑青など、波長の短い色のこと。水、氷をイメージさせて、心理的に冷たさを感じる。
作品にいわゆる寒色が多く使われているとすれば、額縁のおすすめとしてはシルバー色が筆頭になるだろうか。全体のイメージが統一され、バランスの取れた額装になる。雁皮(がんぴ)
ジンチョウゲ科ガンピ属の落葉低木。奈良時代から製紙原料として用いられている。鳥の子紙の材料である。
鳥の子紙の由来となった卵の殻のような質感は、がんぴの繊維がもつ光沢が強く作用しているようだ。機械式マットカッター
パソコンで寸法を入力し、機械でマットを切る機械のこと。手切りでは不可能な、円形、その他デザインカットを行え、作業効率にも優れる。
額縁屋にとってはだいぶ昔から使っている設備だが、どうも機械の性能をフルに活用できているとは言いがたい。例えばマットカッターの刃の代わりに、ペンをセットして字を書くなどといったことも、この機械式マットカッターには可能だ。
スマホと連携して数値入力ができたり、図面をそのままインプットしてカットできたり、イメージを機械に伝える方法が簡単になればよいのだが。基底材
作品を描く物質、素材のこと。紙、石、キャンバス、板、布、などなど。
あたりまえだが、描けさえすれば何でも基底材になりうる。米粒にお経を書く人などもいるが、額縁屋として気になるのは基底材に合った額装方法はなんぞやということだ。
紙ならデッサン額、キャンバスなら油絵額、この辺はわかりやすくお勧めもしやすいが、石などというと話が変わってくる。石をどう固定したらいいのか、厚みをどう収納するか、額縁の完成イメージと構造をトータルで考えなくてはならない。絹絵
絹地に描いた絵のこと。絵を描くための絹地のことを絹本と呼ぶ。主に日本画が該当する。一般的に、紙に書かれたものよりも扱いが難しい。
例えば汚れを洗濯する場合、和紙の作品に比べると汚れが落ちにくい。洗浄剤の選択肢が狭まり、強力な物が使えないのが主な理由だが、和紙に比べて繊細なのでいろいろと気を使う。虫食いにも注意が必要だ。桐木枠
成長が早く、軽く、安価な桐材で作った木枠。木材の値上がりが著しい昨今、使用が広がっている。耐久性は集成材に劣る。
2013年現在、木枠メーカーは木枠の材を桐に一本化し始めている。一昔前に主流だった杉材がほぼなくなったようだ。花粉症の筆者としては、まわりの山に生えている杉がなくなっていないのが不満だが、採算コストに合う杉材はもう無いのであろう。補助金漬けにしてでも国内の杉を使ってほしいものだ。国内の雇用喚起、花粉症の軽減とメリットは多いと思うのだが。桐箱
軽い、燃えにくい、狂いが少ない、虫がつかない、湿度を保つ、腐りにくい、、、など優れた特性を持つ桐を使った箱。日本の保存道具の代表。掛け軸の収納に最適である。
古美術品の場合、この桐箱に書かれた箱書きが品物の価値を決めることもある。桐には墨が滲まないという特性があり、作者、もしくは持ち主によりしばしば箱書きがされた。古めかしい掛け軸が見つかったのなら、作品の検分はもちろん、桐箱にも目を向けるとよいかもしれない。黄袋
黄色の布で作られた袋。これで額縁を包んだ上で箱に入れる。傷、虫から守り、高級感も演出する。
特に擦り傷に弱いフレームのときに有効である。箱への出し入れは意外と額縁の傷に繋がりやすいので、黄袋で守られた上で出し入れができれば安心だ。黄袋の代わりとして、高級感はなくなるがビニール袋でも代用できる。ビニール袋の場合、黄袋のような通気性はなくなる。キャンバス
張りキャンバスのこと。カンバスともいう。油彩やアクリル画に使う支持体のこと。杉、桐などでできた木枠に、亜麻などの布をぴんと張って作る。
キャンバスを保管するときは、もちろん額縁に入れておくのが最善である。額縁に入れて保管できない場合、画面に何も触れない状態で置くこと。絵の具の種類にもよるが、何らかの物が密着していると画面がダメージを受けてしまう。キャンバスクリップなどを利用しよう。キャンバス画布
キャンバスに使われる布のこと。リンネル、綿、化繊などを原料とする。布地の原料の違いのほか、目の粗さにも数種類ある。大まかにいうと、細密画には目の細かいキャンバス、荒々しい画風には荒めのキャンバスが良い。
絵画制作の際は、木枠に張って張りキャンバスとするのが普通である。完成後、木枠から剥がされたキャンバスは取り扱いに注意すること。当たり前だが折り曲げたりすると絵の具の剥落、ひび割れに繋がる。『画面を外側』にして、大きく丸めるとよいだろう。画面を守ろうと内側にするのは良くない。キャンバスクリップ
キャンバス2枚の間に空間を作れるクリップのこと。キャンバス表面を向かい合わせにして使う。乾きの悪い、製作途中の油彩画の保管と運搬に便利。
キャンバスを保管するときは額縁に入れるのが最善であるが、額縁に入れておけない場合はキャンバスクリップを使うとよいだろう。完成した作品で画面が乾いているとはいえ、絵の具部分に何かがくっついてしまうのは良くない。キャンバスクリップを使えば、場所を取らずに多くのキャンバスを保管することが可能だ。キャンバスタックス
キャンバス画布と木枠を固定するために使う釘のこと。鉄製、ステンレス製がある。
針の長さはそれほどでは無く、だいたい10ミリくらい、長さに反して針の太さはそれなりで、2~3ミリ程度の太さがある。長さは短く、太さがある。つまりかなり尖がり方が急で、あまりスマートとはいえない形状の釘である。
キャンバス画布は木枠よりも大きくし、木枠側面に折り返す。折り返した側面部分に打ちつけるのがキャンバスタックスである。キャンバス張り器
キャンバス画布を木枠に張りつける際に使う道具のこと。画布を挟み込み、てこの原理で引っ張って使う。
キャンバス画布の原料・麻布はとても強靭なので、手で引っ張ったくらいではあまりピンとならない。木枠の側面にキャンバスタックスを打ちつける際、キャンバス張り器で引っ張りながら画布を打ちつけて固定する。完成する張りキャンバスの側面には、大体5cm~10cm間隔でタックスが打ち込まれるので、タックスが打ち込まれるごとに麻布も引っ張られることになる。キャンバスの四辺全てで、何箇所も思い切り引っ張られてピンと張った張りキャンバスが生まれるのである。魚拓
魚の像を紙などに転写したもの。魚に墨を塗り、紙を押し付ける『直接法』、魚に紙を乗せ、魚をなぞって型を写し取っていく『間接法』がある。
デジタル魚拓と呼ばれる、デジカメ画像から魚拓風の画像を作ることもある。これは本来の意味からいうと単なる『魚拓風画像』である。『拓』ではない。ただし、直接法、間接法はどちらも魚が生きていると作るのが難しい。
キャッチアンドリリースをし、かつ魚拓も欲しいとなれば、デジタル魚拓が唯一の現実的な方法だ。魚を食べるときにも墨が付いていないほうがいいだろう。技術の進歩により、仕上がりイメージが選択できたりとうれしい機能もあるようだ。木枠
キャンバス画布を支える土台となるもの。材料は木材で、杉、桐、集成材などが主に使われる。
基本は四辺を囲う四角だが、大きなサイズになると補強の枠が入る。『口』の形状だったのが、『日』や『目』、『田』になるのだ。100号くらいのサイズになると、補強の枠がタテヨコに2本ずつ入る。金箔
金を叩いてごく薄く伸ばし、箔状態にしたもの。額縁の表面の装飾、日本画などに使われる。
1立方センチメートルの金から、10平方メートルもの金箔が作られる。とてつもなく薄く、広く延ばされる訳であるが、実は金箔には多くの穴が開いている。人間の目には見えないが、金箔は極端に言うと網のようになっているらしい。
金箔は額縁の装飾に使われるが、金箔を扱える技術者は減少の一途を辿っている。2013年現在、昔ながらの金箔仕上げの額縁の棹(フレーム)はほぼ手に入らなくなってしまった。銀箔
銀を叩いてごく薄く伸ばし、箔状態にしたもの。銀は金に次いで展延性に富む。金箔と同じく、額縁の表面の装飾、日本画などに使われる。
どんな化学変化にも影響しない金に比べると、銀は化学変化に弱い。あえて化学変化を起こさせることで、色彩に変化を加えることもある。雲肌麻紙
麻と楮で漉かれた大変丈夫な和紙。主に日本画制作に使われる。繊維が絡まって紙の表面が雲肌のように見えるのが名前の由来。
額縁のタカハシでは自社製造の雲肌麻紙製品が好評を博している。もちろん、自社製造といっても紙漉きの段階から作っている訳ではない。福井県は岩野平三郎製紙所から取り寄せた和紙を、パネルやボードに仕上げて販売しているのだ。
日本画には欠かせないこの雲肌麻紙。作家さん自身がパネルに張り込むことも多いが、張り込みに自信がない、面倒な場合は完成品をお求めいただくことをおすすめする。勲記勲章額
叙勲で授かる勲章と賞状を入れる額のこと。叙勲額とも呼ぶ。
名前の由来はそのままだが、勲記と勲章が入る額縁だから。勲記とは叙勲で授かる大きな賞状のことを指す。
勲章にはいくつかの種類があり、勲章の形状、勲章ケースの形状がそれぞれ異なる。反対に勲記(賞状)は、420×595で同じ大きさである。ケブラー紐
鋼鉄の5倍の引っ張り強度を持つ、アラミド繊維で作られた紐。軽く、切創、熱、摩擦にも強いが高価である。
ケント紙
化学パルプ100%を原料とした、純白で緻密な上質紙。英国のケント州で初めて製造された。
非常に細かい描写も活かせる紙質から、ボタニカルアートなどの細密画に適する。
ちなみに化学パルプとは、木材を化学的な反応で分離して作り出したパルプのこと。硯屏
主に色紙を入れて、飾り棚や床の間に置く額のこと。
『硯屏』本来の意味は、硯のそばに立てる埃除けの衝立のことを指すようだ。埃除けついでに色紙などを飾ったのが、飾り額としての硯屏の始まりだと思われる。絹本
絹地に描いた書画。また、それに使う絹地のこと。紙に書かれたものよりも製作、保管、鑑賞時の扱いが難しい。
絹本は厚さによって使い分けもされるようだが、基本的にそれ自体では筆運びの圧力にも耐えられない薄い物。木枠に張りこんで、ピンとさせた状態で製作に使われる。絵画が完成した後は、木枠から切り離され、裏打ちを経て掛け軸、額装にされる。
絹本と和紙の大きな違いは、素材自体の耐久性である。基本的に和紙は強靭なため、汚れを落とす薬品などの使用も可能だ。逆に絹本は絹自体が溶けてしまったりと、汚れを落とすのが難しいことが多い。また虫が好んで食するため、虫害も多い。国際キャンバス
国際的に共通のキャンバス寸法を定めて、美術品の国際交流を盛んにしようという動きのこと。いまだ実現に至っていない。
日本の絵画寸法は、フランスの絵画寸法を参考にした独自のものである。フランスから導入の際、尺寸単位に適当に当てはめられたため、見事に少しずつ違う寸法になってしまった。油絵額はマットで寸法調整ができないため、フランスの絵画を日本サイズの油絵額に入れることは、基本的に不可能である。刻印
額縁の箔の上から、打ち込んで付けた模様のこと。彫刻等などで掘り込む場合もある。
古色
年を経て得られる、古びた色合い。古風な趣のある色のこと。単純に古く、汚らしい色合いではなく、過去の美しさが垣間見えるような色合いが好ましい。
古地図
歴史を経た地図。観賞的にも、学術的にも価値がある。
紙自体がぼろぼろに弱っていることが多いため、額装方法に気を使う。コーナーポケットを使ってマットの裏面に固定するのが望ましいが、古地図はマットの最大寸法でも対応できないほど大きなものが多いのがネック。固着剤
顔料を固着させる物質のこと。膠、アラビアゴム、アクリル樹脂、卵黄、アルキド樹脂、、、など。
固着剤の性質が、そのまま絵の具の性質となる。例えばアクリル樹脂を固着材とする絵の具、アクリル絵の具は弾力性に富み、様々な基底材に描くことが可能だが、この特質はそのままアクリル樹脂の特質である。コットン紙
柔らかな質感の洋紙の一種。以前は木綿繊維を用いて作られたが、現在は化学パルプを用いる。
コルゲートボード
当社で使用しているプラスチックダンボールのこと。主に裏板として使われる。ベニヤの裏板に比べて多くのメリットがある。
『プラスチック』=安物のイメージが付きまとい、多くのメリットがあるにも関わらずいまひとつ普及が進んでいない。ベニヤの品質が日ごとに悪くなっているにも関わらず、ただのイメージだけでプラスチックダンボールを避けるのは賢いとは言いがたい。各額縁メーカーも積極的に採用していって欲しいものだ。コンピュータマットカッター
パソコンで寸法を入力し、機械でマットを切る機械のこと。手切りでは不可能な、円形、その他デザインカットを行える。1990年代から普及が進み、今日では額縁屋のほとんどが導入する必須のマシンとなった。
マシンのポテンシャルからすると、例えばアルファベット型に窓抜きしたり、不定形の窓抜きをすることも可能である。しかしいまひとつそういった使い方はアピールが進んでいない。マットの新たな使い方としては魅力的だが、どのような形でお客さまの作品に合わせるか、デザイン込みの提案をする必要があるため、ハードルがまだまだ高いようだ。彩度
色の冴えのこと。色味の強さを表す。色相、明度と共に色の性質を3要素となる。
白、黒、灰色は彩度が0になり、逆に純色は彩度が最大となる。サイン
作品の完成とともに作者によって記入される、名前、イニシャルなどのこと。
『作品の完成とともに記入される』というのがミソで、サインが入ると作品全体が引き締まり、完成度さえもアップしたように感じる。初心者の方にとってみると、サインを入れるのはなんだか気恥ずかしいかもしれない。しかし制作活動の一環として、きっちりサインは入れるようにしよう。急に風格のある作品に見えるようになるかもしれない。棹
額縁を構成する縁の部分で、額縁を組む前の棒の状態のことを指す。種類により、2~3メートルの長さで出荷される。棹の状態での販売も可能。
額縁は、基本的にこの棹を組み立てることによって製作される。このようにあらかじめ作られた棹を材料に製作される額縁を、『モールディング』と呼ぶ。棹に対して着色などはできないので、棹の形状、色合いは変更できない。挿し箱
箱の一辺が開くように作られた箱のこと。かぶせ箱に比べて、箱の耐久性に優れる。黄袋と組み合わせることも多い。
たとうも挿し箱も、箱の形状としては同じだが、箱を作る材質に違いがある。挿し箱はダンボールで作られ、たとうはベニヤなどに布張りして製作される。
挿し箱は品物を差し込む、出すときは品物を引き抜く構造になっている。この構造のため、大きな品物には適さない。せいぜい1m程度の額縁までに使うのが望ましい。これ以上大きな品物を入れると、箱と品物の摩擦から引き抜くことが困難になる。皿立て
床の間などにおいて、皿を立てかけて飾るための台。額縁を飾ってもよい。
皿を立てる場合、皿の直径だけではなく、皿の深さも選択のポイントとなる。この直径と深さのバランスは、実際に皿立てに皿を立ててみないとわからないことが多い。サイズ選択が難しいので、ネットショップで皿立てを買うのはお勧めできない。サルコ
裏板固定の方法、もしくはその金具のこと。額縁側に差し込み穴を設け、裏板の止め金具をスライドさせて固定する。和額に多く用いられる。
サルコ式にすると、金具類がすっきりしてあまり目に入らなくなる。サルコ式のメリットは、見た目の良さ以外にはあまり無い。(と思う。)サルコ式の裏板が発達したのは、ひとえに日本の職人の技術・こだわりのおかげかもしれない。
トンボ式に比べると、フレームに差し込み穴を開ける、裏板に穴を開けてサルコ金具を付けるといった製作工程の問題と、作品の出し入れがしづらいといった扱う上での問題もある。三角吊カン
小さな額縁を吊るための金具のこと。額縁にネジ一本で取り付けるため、重量のあるものには使えない。
この三角吊カンに直接フックを掛けることもあるが、この方式をとるには三角吊カンをフレームのど真ん中につけなくてはならない。そうしないと斜めに傾いてしまう。一度つけてしまうと付け直しが面倒、穴も開いてしまうため、紐を併用して引っ掛けるのが無難。ジェッソ
基底材に塗る地塗り剤のこと。発色、絵の具の乗り、伸びなどをよくする。油彩用、アクリル用、色付きなどさまざまな種類がある。
紫外線
波長が14~380nm(ナノメーター)以下の不可視光線のこと。UVとも呼ぶ。作品に変色(退色)や劣化をもたらす。特に水彩画は紫外線に弱い。
紫外線を気にするのなら、直射日光は論外だが、蛍光灯にも注意が必要だ。直射日光よりはましとはいえ、毎日の積み重ねだと蛍光灯の紫外線も馬鹿にならない。
LED照明は紫外線がほとんど出ない。LEDは電気料金の軽減など、他にも多くのメリットがあるので採用を検討するのもよいだろう。紫外線防止アクリル
紫外線をカットする特殊な加工をしたアクリルのこと。メーカーによって基準はまちまちだが、95~98パーセントの紫外線カット率を誇る。メリットはもちろん紫外線をカットすることだが、デメリットは価格が高いこと、特殊加工の過程でアクリルが黄色みを帯びることである。黄色みに関してはアクリルの厚さが薄い限りほとんど気にならない。通常のアクリルでも90パーセント近くの紫外線をカットするため、価格とのバランスを考えて選びたい。
色紙
和歌・俳句・書画などを書き記す四角い厚紙。さまざまな紙の種類と、模様入りのものなどもある。
色紙を入れるのは主に色紙額。規格サイズの色紙が、ぽこっとはまり込むように作られている額縁だ。特に(242×273)のいわゆる色紙サイズ用には、安価に多くの額縁が出回っている。色紙額
色紙を入れるための額。色紙を落とし込んで簡単に額装できる。多くの種類の既製品が出回っている。
色相
色合いのこと。青、緑、赤、黄など。明度、彩度と共に、色の性質を表す。
自在吊
高さ調節の可能な、額縁、掛け軸などを飾る金具のこと。ワイヤー自在吊、鉄自在吊、竹自在吊などがある。
支持体
絵画が描かれる物質のこと。基底材ともいう。紙、板、布、金属板、石など。絵の具の食いつき、優れた発色、描きやすさ、耐久性などが求められる。
下貼り
パネルなどに作品を張り込む際に、木の灰汁などが作品に移るのを防ぐため、作品と板の間に鳥の子紙などを貼ること。捨て貼りともいう。
湿式裏打ち
昔ながらの糊を使ってする裏打ちのこと。乾式裏打ちに比べてやわらかな仕上がりとなる。水につければ剥がすのも容易なので、再表具もしやすい。
地塗り
発色、絵の具の乗り、伸びなどをよくするために、基底材に下塗りすること。
例えば、油彩用キャンバスにアクリル絵の具を使うと絵の具が剥落することがある。地塗りをすることで絵の具の固着性を高めて剥落を防ぐことができる。集成材
板材を接着剤で再構成して作る木材。耐久性に優れる。
樹脂額
型に樹脂材を流し込んで作る棹で作った額縁のこと。コストパフォーマンスに優れる。木材の高騰が進む中で、各額縁メーカーがその技術を磨いている。木材に比べ、強度、仕上がりに劣るが、一昔前に比べて目に見えて進化している。当社オーダー品には使用していない。
樹脂ガラス
アクリルガラスのこと。額縁の前面カバーとして使われる。透明度が高く、軽くて割れにくい。紫外線も大幅にカットする。反面、ガラスに比べ傷が付きやすく、若干高価。また温度によって伸縮するので適正なゆとりが必要。アクリル絵の具と癒着する恐れもある。
賞状額
賞状を入れることに特化した額縁のこと。マットを必要とせず、賞状用紙ぴったりに合わせたサイズで作られている。あえて大き目のサイズを選び、マットをつけても美しい。
賞状用紙
賞状として与えられる用紙のこと。洋紙サイズと、洋紙サイズよりも一回り大きい賞状用紙専用のサイズがある。A3の賞状などといっても、2種類の大きさが存在するので注意が必要。
小色紙
通常の色紙よりも一回り小さい色紙のこと。昔はこのサイズが一般的だった。182×212
植物画
植物を細密に、正確に描いた絵のこと。まだ写真のない時代、植物学者と画家がペアーを組み、植物学的にも正しく詳しく描かれたのがその始まりといわれる。主にイギリスやフランスで19世紀に流行した。ボタニカルアートとも呼ぶ。
叙位叙勲
国家に功労のあった者に対して、逝去日にさかのぼって位階が授与されること。
叙勲
国家や公共事業に功績のあった人に、勲等を授け、勲章を与えること。
書道額
書道用紙に合わせた額縁のこと。書は掛け軸、欄間額といった表装に依ることが多く、書の額装の歴史は浅い。
署名
サインのこと。落款とともに行われることも多い。
真鍮箔
洋箔のこと。
水彩色鉛筆
描いた後、水を含ませた筆でなぞると、絵の具のように解けて水彩画の表現ができる色鉛筆のこと。
水彩画
水彩絵の具を用いて描いた絵画のこと。マットと合わせてデッサン額に入れる。特徴である色彩の透明感を生かすため、白、もしくはクリーム色のマットを使うのが普通。
水彩額
デッサン額のこと。薄い作品、主に紙の作品を入れるための額縁。マットと合わせて額装する。
水彩紙
水彩画を描くのに適した紙。絵の具の発色の良さ、毛羽立たない強靭さ、波打ちにくい厚さ、紙肌の荒さなどが選ぶポイントとなる。
捨て貼り
パネルなどに作品を張り込む際に、木の灰汁などが作品に移るのを防ぐため、作品と板の間に鳥の子紙などを貼ること。下貼りともいう。
スペーサー
額縁の深さを埋めるために入っている素材のこと。ダンボールや発泡スチロールが主に使われる。厚み調整材とも呼ぶ。
隅丸
額縁の角で、丸い加工をしてあるもの。
寸松庵
主に色紙のサイズ。姫色紙とも呼ばれる。122×137
石版画
リトグラフのこと。水と油の反発作用を利用した版種。複雑で時間も多く要するが、表現力の高さと独特の質感が特徴。ピカソ、シャガール、東山魁夷なども活用した。
石膏ボード
プラスターボードのこと。ネジや釘が利かないため、額縁の取り付けが難しく思われるが、安価な石膏ボード用の金具が存在する。ちなみに壁紙の貼られている壁は、ほぼ石膏ボードである。
扇面
扇子の紙の部分、またはそれに類似した形のこと。古くから日本画、和歌などが描かれてきた。
素地
青紙を貼らず、木地をむき出しの状態のこと。
外寸
額縁の外寸法のこと。額縁の製作や、適合する額縁のサイズを探すときに必要になるのは『内寸法』で、外寸法は参考にしないことが多い。
退色
作品の色彩が時間と共に薄れていくこと。紫外線が主な原因となる。油絵の具、アクリル絵の具は紫外線に強く、退色しづらい。アクリルのカバーを使うことで紫外線をカットできる。
台紙
マットのこと。もしくは土台となる紙。
大色紙
現在の最も一般的な色紙サイズの古い呼び名。単に色紙というとこのサイズをさすことが多い。242×273
多角形額縁
六角形、八角形などの額縁のこと。
拓本
器物複写方法のひとつ。石碑などから凹凸を写し取ること。その工程上、器物本体の損傷を促す恐れがあるため、無制限に作成できるものではない。単なる複写物以上の価値がある。
匠和額
出来上がった棹材を組み上げて額縁とするモールディングに対し、額縁の形を作り上げてから削り出し、色塗りをして完成する額縁のこと。
ダストカバー
表面素材、ガラスやアクリル、透明シートなどのこと。ただし、裏板を指して使う場合もあるのでとてもややこしい。
埃の進入を防ぐという意味では、表面素材も裏板も、どちらも『ダストカバー』ではある。誤解が生じやすいダストカバーといった表現は避けるのが無難かもしれない。たとう
布張りで化粧された挿し箱のこと。高価な額縁に使われる箱で、美しさ、強度に優れる。反面、作るのに手がかかるため高価で、重いのが欠点。黄袋と合わせて使うのが普通。
ダブルマット
マットを2枚重ねにして額装すること。下段のちらりと見せる色が着物の襟を思わせる。2枚重ねによる奥行も作品価値をいっそうと高める。
卵テンペラ
顔料のつなぎ剤・固着剤として、卵を使う絵画技法のこと。
たわみ止め金具
つの字、メガネトンボ、段付金具のこと。細長く、かつ縁も細い額縁の、縁が膨らむのを防ぐ金具。
短冊
色紙類のサイズ。短冊には広幅と並幅がある。
暖色
赤、橙、黄など、波長の長い色のこと。太陽や火をイメージさせて、心理的に暖かさを感じる。
段付金具
裏板止め金具のひとつ。たわみ止め金具としても使用される。縁と裏板に段差がある場合に使われる。裏板と縁をネジで留めて使う。
吊金具
額縁を吊るすための金具。板吊、吊カン金具などのこと。紐を通して使う。
吊カン
吊カン金具のこと。または吊カン金具のリングの部分のこと。
吊カン金具
吊金具の一種で、板状のプレートにリング(吊カン)のついたもの。大型の額縁に適する。
低反射アクリル
鑑賞の邪魔になる、光の反射を抑える加工を施したアクリル。見た目はすりガラスに近い。額縁向けではあるが、透明度に劣ること、高価なこと、作品と密着させる必要があることから用途が限られる。
低反射ガラス
ガラス表面に特殊なコーティングを施し、表明反射を抑えたガラス。主にショウウィンドウなどに使われるが、厚みがあり、高価なため額縁には向かない。
テープ止め
裏板をテープで貼り込んで留めてしまうこと。埃を完全にシャットアウトできる。入れ替えが面倒になってしまうため、高名な作家の作品の他、入れ替えの可能性のない作品を額装するときに行われる。
デザインカット
コンピュータマットカッターを使って、四角にこだわらない窓抜きでマッティングすること。円、楕円はもちろん、ハート型、星型の窓を開けたり、窓のコーナーの形を変えたりできる。
デッサン額
薄い作品、主に紙の作品を入れるための額縁。マットと合わせて額装する。
手ぬぐい
木綿の平織りの布のこと。生活用品ではあるが、そのデザインの豊富さから額縁に入れると非常に映える。裏打ちしてから額装するのが基本。
テレピン
松脂を蒸留して得られる揮発性の油。油絵の具の薄め液として使われる。光沢がなく画面への絵の具の固着性もないため、単独で用いることは少ない。
テンペラ画
西洋絵画技法のうち、最も伝統的なもののひとつ。広義には、顔料を何らかのつなぎ材と混ぜ合わせて絵の具を作り、その絵の具を使って描く技法のこと。現代においてはほぼ全ての絵画技法がテンペラの要素を含む。そのため、伝統的な卵テンペラの技法のみを指すことが多い。
動書
自由と立体と躍動を旨として創造された、書道の一形態。額装もダブルマット、デザインカットなどを駆使して自由奔放にされることが多い。
透明水彩
水彩絵の具のうち、顔料が少なく被覆力が弱いもののこと。普通水彩といえば透明水彩を指すが、小学校などの授業で習うマット水彩も水彩と呼ぶためややこしい。
透明シート
礬砂
ドーサ 紙の滲みを防ぐために使う液。水1リットルに膠30gを湯煎にかけ、5gの明礬を加えてつくる。熟練者は用途ごとに微妙な量の調整をする。
床の間
和室に見られる座敷飾りのひとつ。床柱、床框(とこかまち)などで構成される。季節の掛け軸のほか、額縁を飾ってもよい。
トノコ
砥石を切り出すときに出る粉末。木材に字を書くときの滲み止めになる。
留め
トメ。額縁の角のつなぎ目のこと。
留め切れ
留めに隙間ができていること。額縁を角から落下させると起こりやすい。素人修理では直りづらい。
ドライマウント
大きなアイロン。紙のしわ伸ばし、熱によって溶ける接着剤の付いたシートと併用して裏打ちに使うなど、幅広い用途で使われる。
鳥の子
雁皮(がんぴ)を原料とした和紙。紙の色が卵の殻に似ていることからこの名がある。美しい光沢を持ち、滲まず、滑らかで書きやすい。また、虫の害も少ないので長期保存にも向く。
ドロ足
額縁の縁に対して作品の厚さが大きい場合に取り付ける木材のこと。縁の高さを足して、作品が収まるようにする。木肌のままだと見た目が悪いので、青紙を貼るのが普通。
泥絵具
天然の土を水でよく洗って天日で乾燥させる、もしくは顔料を胡粉と混合して精製して作った顔料のこと。水干絵具とも呼ぶ。
トンボ
額縁の裏板を止めるための金具。ネジで縁、もしくはドロ足につけて使う。
長押
和室において柱を水平方向につなぐもの。鴨居と異なり上部に溝がある。本来は物を掛けるための部材ではないが、溝のおかげでさまざまな金具の取り付けが可能。
膠
動物の皮革、骨髄から採れる強力な糊。主成分はたんぱく質なので腐りやすい。保管には注意が必要。
滲み
墨、絵の具などが染みわたること。水彩、水墨画などには欠かせない要素。基底材の材質に隙間があることで生じる。材の隙間を埋めることで滲み止めをすることができる。
滲み止め
基底材の隙間を埋めて滲みを防止すること。和紙にドーサを引いて滲みにくくすること。木材にトノコを刷り込んで滲みにくくすること。
人形ケース
人形を収めて、傷、埃から守るケースのこと。ガラス、アクリル製でそのまま鑑賞もできる。
倍判色紙
大色紙の倍の大きさを持つ色紙のこと。273×484
箔押し
箔を貼ること。箔貼り。
端口寸法
見える部分の寸法のこと。マット端口寸法、フレーム端口寸法など種類がある。フレーム端口寸法とフレーム内寸法は別物なので注意すること。
箔磨き
瑪瑙棒(めのうぼう)で箔を磨き、光沢を出すこと。箔押し後、面の乾き具合を見て行う熟練の作業。
箔はさみ
金箔、銀箔を扱うときに使う。普通は竹製。
箱
主にダンボールで構成される、品物を保護するもの。額縁のような割れ物の移動、保管には重要な役割を持つ。
パネル
木材の桟で組んだ枠に、ベニヤ板をつけたもの。和紙を貼りこんで日本画に使ったり、写真の展示に使ったりする。
パピルス
カヤツリグサ科の植物の名。もしくはそれを原料として作られた原始的な紙のこと。裏表があり、裏は使用に適さない。額装するときは上乗せ加工でパピルスの質感全体を楽しむのがよい。
版画
印刷を行う紙以外に、彫刻や細工を施した版を作り、インクの転写、透写によって複数枚の絵画を作る技法。
反射防止ガラス
低反射ガラスに比べ、額縁向け。ガラス表面に凹凸を付けることで、反射や映り込みを抑えるガラス。見た目はすりガラスに近い。額縁向けではあるが、透明度に劣ること、高価なこと、作品とガラスを密着させる必要があることから用途が限られる。
半切
額縁の規格サイズの一種。424×525。もしくは各種水彩紙、書画用紙の全紙を半分に切ったものを指す。それぞれで全紙の寸法が違うので、半切といっても共通の寸法にならない。
Pサイズ
絵画の規格寸法のひとつ。風景を書くのに適した、Fサイズに比べて横長なサイズ。他にもFサイズ、Mサイズがある。
ピクチャーレール
天井際に取り付け、ワイヤーを取り付けて額縁などを掛けられるようにしたもの。上下左右移動が可能になる。ギャラリーなど展示物の掛け換えが多いところはもちろん、自宅においても季節ごとの展示物の掛け換えなどが格段に楽になる。
紐
壁のネジなどに引っ掛けて額を吊るもの。額の吊金具に通して使う。額縁落下原因のほとんどが紐の老朽化である。数年毎の点検、交換が望ましい。
姫色紙
主に色紙のサイズ。寸松庵とも呼ばれる。122×137
表装
書画の保存と鑑賞のために布、紙などで縁取りを付け、掛け軸や額に仕立てること。または、屏風やふすまに仕立てること。
表具
掛け軸、額、屏風など、書画を表装したもののこと。
屏風
部屋の仕切りや装飾に用いる家具のこと。小さなふすまのようなものをつなぎ合わせてつくり、折りたためる。書、水墨画などが描かれることがあり、屏風絵と呼ばれる。
広幅短冊
通常よりも幅の広い短冊のこと。76×364
Vネール
額縁の留めの部分に打ち込むL字型の金具のこと。
風鎮
掛け軸の軸先に付けて、重みによって掛け軸の安定を図る道具。材質、色身など多岐にわたり、観賞価値も高める。
袋貼り
糊を四方のみにつけて、中心は糊をつけずに浮いた状態にする貼りかた。日本画を描くときはこの方法で紙を貼りこむことが多い。
ブックマット
額装するときの作品の固定の方法で、作品を2枚のマットで挟み込むこと。
不透明水彩
水彩絵の具の中で、顔料が多く被覆力が強いもののこと。透明水彩に比べて色数のバリエーションが少ない。
プラスターボード
石膏ボードのこと。ネジや釘が利かないため、額縁の取り付けが難しく思われるが、安価な石膏ボード用の金具が存在する。ちなみに壁紙の貼られている壁は、ほぼ石膏ボードである。
プラスチックダンボール
いわゆるダンボール構造を、紙ではなくプラスチックで再現した素材のこと。紙のダンボールに対し、強度、対湿性に優れる。額縁用の部材としては主に裏板として採用される。
多くのメリットがあるのになかなか普及が進まず、「裏板は木製であるべし」などというあまり意味のないこだわりが憎々しい限りだが、筆者が特に訴えたいのはその耐久性だ。日焼けや湿気に弱い青紙張りのベニヤ板に比べて、半永久的は言い過ぎにしても高い耐久性を誇るプラスチックダンボールが、冷遇されるいわれは全くない。フレーマー
全国額縁組合連合会の定めた資格保有者のこと。オブジェクトに対し、適したフレーミングができる人。
フレーミング
額装のこと。レッツエンジョイフレーミング。
フレーム端口寸法
額縁を表面から見て、フレームの中の見える部分のこと。額縁には『かかり』があるため、実際に額縁の中に入っているものの寸法よりも小さい。
フレンチマット
フランスを中心に19世紀に流行った装飾マットのこと。マーブルペーパー、テープによる線などでマットを飾る。
ペーパーウェイト
文鎮、紙押さえのこと。紙が動くのを防ぐ。
ベタ貼り
一面に糊を塗って貼り付けること。中心部分もくっついているため安定するが、剥ぐことは難しくなる。
PET樹脂
ポスターフレームによく使われる、透明の薄いカバーのこと。見た目はアクリルに似るが、黄変が避けられず、傷にとても弱い。また、直射日光による変形もしやすい。
ぺトロール
油絵具の薄め液。テレピンより穏やかに蒸発する。
ベニヤ
木材で構成された板。安価なことと加工が容易なことから、裏板、パネルとしてよく使われる。昨今、木材の値上がりにともない、価格の高騰、品質の悪化が進んでいる。
褒章
日本国政府が授与する記章のこと。勲章・位階と並ぶ日本の栄典の一つ。
防虫香
掛け軸、人形などと共に保管し、虫食いを防ぐお香。俗に言うとお仏壇のにおいがする。
膨張色
目の錯覚をおこし、実際よりも大きく見せる色のこと。明るい色の方が膨張して見える。
ポスターカラー
水彩絵の具の一種。透明水彩と不透明水彩の中間的性質を持つ。安価だが、退色しやすい。学童用によく使われるマット水彩とほぼ同義。
ポスターパネル
洋紙サイズ、もしくはポスターの規格サイズで作られた、簡単な額縁。軽く、安価で使いやすいが、表面に塩ビが使われていることが多く、作品の退色が激しい。ポスターフレームとも呼ぶ。
ポスターフレーム
洋紙サイズ、もしくはポスターの規格サイズで作られた、簡単な額縁。軽く、安価で使いやすいが、表面に塩ビが使われていることが多く、作品の退色が激しい。ポスターパネルとも呼ぶ。
保存額装
作品の長期保存を目的とした額装のこと。UVカットアクリル、有害物質を吸収するマット・ボードなどを組み合わせて行う。
ボタニカルアート
植物を細密に、正確に描いた絵のこと。まだ写真のない時代、植物学者と画家がペアーを組み、植物学的にも正しく詳しく描かれたのがその始まりといわれる。主にイギリスやフランスで19世紀に流行した。
ボックス加工
木製の箱に縁を付けること。もしくはその加工を行った額縁のこと。ドロ足で対応できない厚さの作品を額装するときに行う。
マージン
余白のこと。
麻紙
大麻や芋麻などを原料として作られる和紙のこと。日本画、水墨などに使われる。
マチエール
作品における材質感。絵肌、彫刻の質感など。
マット
主にデッサン額に入れる厚手の紙。寸法の不一致を調整、カラーコーディネートを図る、作品の見栄えを良くする、作品を保護など、額装に欠かせない重要なパーツ。
マットカッター
マットを切るための道具、または機械。
マットボード
マットのこと。
マット水彩
透明水彩と不透明水彩の中間的性質を持つ水彩絵の具のこと。おもに学童用として使われる。安価な原料で作られているため、退職が激しく、長期の保存には向かない。ポスターカラーがほぼ同義。
窓抜き寸法
マットの端口寸法のこと。作品が見える部分の寸法を指す。
豆カン
小さな額縁を吊るための金具のこと。額縁にネジ一本で取り付けるため、重量のあるものには使えない。
丸紐
額縁を吊るのに使われる丸い紐。
水貼り
木製のパネル、もしくは厚めのベニヤに水彩紙を貼り込むこと。水彩画特有の、紙の歪みを軽減することができる。紙が水を含むと伸び、乾燥するとき縮む性質を利用して貼り込む。
水貼りテープ
糊面に水をつけて使うテープのこと。たっぷり水をつけて使うのがコツ。
水貼りパネル
水貼りするためのパネル。紙の伸縮によって反ることのない強度が必要である。厚めのベニヤ板でも代用できる。水貼り台ともいう。
水筆
水筆ペンともいう。水を入れるタンクの付いた筆。筆洗の要らない、携帯に便利な筆。絵手紙、固形水彩などに適する。
耳
紙の断裁していない端の部分のこと。和紙、パピルスなどに見られる。
明礬
膠と混合してドーサを作るときに使う。古来から染色剤や防水剤、消火剤、皮なめし剤、沈殿剤など、さまざまな用途で使われてきた。
明度
色彩における明るさの度合いのこと。色相、彩度と共に、色の性質を表す。
メガネトンボ
たわみ止め金具のひとつ。トンボと違いネジを2本使って裏板と縁を留めて使う。
瑪瑙棒
箔磨きに適した瑪瑙が先に付いた棒。時には数十種類が用意される。
綿キャンバス
古来より使用される亜麻のキャンバスに対して、20世紀の初頭から使われだした綿を用いたキャンバス。亜麻に比べて強度、油絵の具との相性に劣るが、安価なこととアクリル絵の具との相性から愛用者も多い。
面金
額縁の先、またはマットの端口に取り付ける金や銀の飾りのこと。
面金加工
額装マットに面金を取り付けること。奥行きが増し、豪華さを演出する。
モールディング
額縁の材料となる、成形、着色等なされた棹のこと。もしくはそれを使って額縁を組み立てること。数多くの種類の中から、好みの大きさの額縁を作ることができる。
木炭紙
主にデッサンに使われる紙。画用紙よりも和紙に近い質感を持つ。ざらついた紙肌で、鉛筆や木炭との相性がよい。
木炭判
木炭紙全紙のサイズのこと。500×650
木版画
木製の原版によって制作される凸版画のこと。浮世絵が有名。刷りを重ねることで板が磨耗するため製作できる数はおのずと制限される。
油彩画
油絵具で描いた作品のこと。キャンバスに描くのが普通。
油彩額
厚みのあるキャンバスやパネルがそのまま入る額縁のこと。作品と額縁の規格サイズを合わせれば、簡単に額装できる。
UVカットアクリル
紫外線をカットする特殊な加工をしたアクリルのこと。メーカーによって基準はまちまちだが、95~98パーセントの紫外線カット率を誇る。メリットはもちろん紫外線をカットすることだが、デメリットは価格が高いこと、特殊加工でアクリルが黄色みを帯びることである。黄色みに関してはアクリルの厚さが薄い限りほとんど気にならない。通常のアクリルでも90パーセント近くの紫外線をカットするため、価格とのバランスを考えて選びたい。
ゆとり
額縁の内寸に対し、入れるものを小さくすること。スムーズに出し入れするために必要。
洋紙
主に木材を材料とした紙のこと。古くは木綿のぼろや藁を原料とした。和紙と違い、折り目が付くと元に戻すのが困難。
洋紙サイズ
JIS規格で決められたA4、B4などと呼ぶ紙の規格サイズのこと。
洋箔
真鍮箔のこと。洋金箔とも呼ぶ。銅と亜鉛の合金から成る、金色をした箔のこと。金箔に比べて価格が安く、金箔の代用品として工芸品や屏風、額縁などに使われてきた。
羊皮紙
動物の皮を加工して筆写の材料としたもの。特に羊に限って使われたわけではなく、皮紙ともいう。書物や法典など、重要な物に使われた。条件がよければ、千年以上持つものもある。
落成款識
ラクセイカンシキ 落款のこと。
ラグボード
マットの種類のひとつで、綿繊維で作られたもの。木材を主材とするものに比べて保存性に優れているとされる。
ラッカー塗装
ラッカーを塗り、均一な色味にすること。カラーものの縁など。
落款
ラッカン 正しくは落成款識。(らくせいかんしき)日本、東洋の書画で、筆者が作品完成の際に施す署名捺印のこと。正式には姓名、製作年月日、印など全てまとめて落款と呼ぶが、印のみを指すことも多い。
欄間額
古くは篇額と呼ばれる。天井と長押、もしくは鴨居との間の、欄間の部分に掲げる横に長い額縁。
立体額装
額縁に厚みを持たせ、平面のもの以外を額装すること。どんなものでも額装します。
リトグラフ
石版画とも言う。水と油の反発作用を利用した版種。複雑で時間も多く要するが、表現力の高さと独特の質感が特徴。ピカソ、シャガール、東山魁夷なども活用した。
リネン
昔ながらのキャンバスの布地に使われる植物の名前。麻より柔らかく、かつ強靭。亜麻の繊維を原料とした織物を、リンネル、亜麻とも呼ぶ。
両面パネル
桟を組み、その裏表にベニヤ板を貼り付けたパネルのこと。片面パネルに比べて、重くなってしまう、高価になるのが欠点だが、強度が増す。
レール
天井際に取り付け、ワイヤーを取り付けて額縁などを掛けられるようにしたもの。上下左右移動が可能になる。ギャラリーなど展示物の掛け換えが多いところはもちろん、自宅においても季節ごとの展示物の掛け換えなどが格段に楽になる。正式にはピクチャーレール。
ワイヤー自在
金属製の丈夫なワイヤーに、上下移動可能なフックを取り付けたもの。額縁を飾るのに効果を発揮する。
ワイドサイズ
通常の寸法に比べて横長の規格サイズのこと。写真印画紙のワイド四ツ切(253×365)、絵画規格寸法のワイドSM、ワイドF6などがある。
絵画規格寸法のワイドサイズは通常のF6(318×409)を横に並べた寸法で、二倍の大きさ(318×820)になる。和紙
日本で作られる手漉きの紙のこと。楮、三椏、雁皮などを材料とする。洋紙と違い、多少の折り目も水を打てば直る。
和額
木枠に紙を貼り付け、そのまわりに縁を取り付けた額縁のこと。欄間額などに見られる。構造上、表面にガラスやアクリルが入らないため、作品が汚れやすい。
ワニス
樹脂を溶剤に溶かした塗料。顔料は含まず、光沢のある透明な薄膜を形成するもの。漆塗りより安価。
Fサイズ
絵画の規格寸法のひとつ。他にもPサイズ、Mサイズがあるが、Fサイズがもっとも使われる。
絵画寸法は3号、6号、50号などと『号』を付けて呼ばれ、その数字がさらに4つのサイズに分類される。具体的に言うと6号には、F6号、P6号、M6号、S6号の4種類がある。3号、50号なども同様。単純に15号というと普通はF15号を指す。
この絵画寸法は日本独自で、海外のサイズとは共通しない。Mサイズ
絵画の規格寸法のひとつ。海を書くのに適した、Fサイズに比べて最も横長なサイズ。他にもFサイズ、Pサイズがある。
絵画寸法のF、P、M、Sの中では最もマイナーなのがMサイズ。いわゆる絵画らしい寸法とは違う横長で、Mサイズの絵も雰囲気が変わって面白いのだが、いかんせんMサイズの額縁はほとんど販売されていない。メーカー製の安価な油絵額はほとんど無いので、特注扱いの油絵額を作ることが多い。MDF
木材を繊維状にほぐし、接着剤などを配合してボードに成型した繊維板のこと。欧米において木質資源の有効活用を図るために発達し、日本において、木材資源の枯渇から利用が広がっている。
木材(ムク材)に対して、品質の均一性に優れ、加工も容易。特筆すべきは木材特有の反り、ひび割れなどが生じにくい点。また、接着剤や溶剤、木材チップの種類を変化させると違う性質を持ったMDFとなる。日々進化する材料であり、注目する価値がある材料だ。MO判
デッサン額縁の規格サイズの一つ。かなり多きめのサイズで、額縁の種類は限られる。およそ700×900。
MO水彩紙の中判サイズ(560×760)をマットを付けて額装するときに適したサイズとして生まれたようだ。Pサイズ
絵画の規格寸法のひとつ。風景を書くのに適した、Fサイズに比べて横長なサイズ。他にもFサイズ、Mサイズがある。
PET樹脂
ポスターフレームによく使われる、透明の薄いカバーのこと。見た目はアクリルに似るが、黄変が避けられず、傷にとても弱い。また、直射日光による変形もしやすい。
UVカットアクリル
紫外線をカットする特殊な加工をしたアクリルのこと。メーカーによって基準はまちまちだが、95~98パーセントの紫外線カット率を誇る。メリットはもちろん紫外線をカットすることだが、デメリットは価格が高いこと、特殊加工でアクリルが黄色みを帯びることである。黄色みに関してはアクリルの厚さが薄い限りほとんど気にならない。通常のアクリルでも90パーセント近くの紫外線をカットするため、価格とのバランスを考えて選びたい。
Vネール
額縁の留めの部分に打ち込むL字型の金具のこと。
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