《クリックで拡大》 甲越川中島大合戦(モネ・コレクション) Next次を見る

一勇斎国芳 大判三枚続 刊年:嘉永五年四月(1852) 版元:山口屋藤兵衛 絵師紹介

 印象派の画家・モネがコレクションしていた作品である。おそらく、この作品が西洋的画法を取り入れていることが収集の動機と想像される。背景の表現は油絵を彷彿させる巧みな技法であり、武者は西洋の騎士のようにも描かれている。
 場面は典厩信繁(信玄実弟)が落馬・戦死する一瞬で、勘助絶命と並ぶ名場面である。合戦では本陣に押し寄せる上杉勢に兄の窮地を救わんと
奮戦したが、鉄砲弾にあたり落馬、すかさず宇佐美定行に槍で突かれたと伝わる。享年37歳であった。画面左には信繁の跡を追うようにして討死したという諸角豊後守の姿がある。
 長野市内には信繁を供養する「典厩寺」が存在する。境内には信繁の墓とともに、この戦で散った両軍の6000余名を供養する閻魔大王像(高さ5メートル)のお堂もある。下のリンクより史跡巡りもご覧ください。

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