《クリックで拡大》 川中島百勇将戦之内明将・武田晴信入道信玄 LIST

一勇斎国芳 大判錦絵 
刊年:天保十四年〜弘化四年 版元:山崎屋清七 絵師紹介

 信玄は諏訪大明神を深く信仰していたが、その象徴である諏訪法性の兜をかぶり、右手に鉄製の軍配を持つ姿は、江戸時代の武田信玄像の典型である。大きな眼とへの字に結ばれた口、髭が印象的である。法性の兜や白い髭が法衣の朱色とよく調和している。軍扇を高く掲げている構図もいい。

 本シリーズは武者絵の中でも特に異色のものである。美人画や役者絵の大首絵は知られているが、武者絵の大首絵は極めて少ないからである。これも、やはり武者絵の国芳の自信作で、その自負がそのまま絵になって表れている。描かれた武者信玄は国芳自身である。自分が信玄になったつもりで絵を描いたのだ。




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