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一陽斎豊国 大判三枚続 刊年:天保十四年〜弘化四年(1843〜1847) 版元:恵比須屋庄七 | 絵師紹介 |
三代豊国の合戦クライマックスシーン、信玄を守るように5人の影武者が描かれているのが興味深い。後ろには有名な風林火山の旗印がなびいている。「風林火山」はご存知のように孫子の兵法にある、(疾(はや)きこと風の如く、徐(しず)かなること林の如し、侵略(しんりゃく:おかしかすめる)すること火の如く、動かざること山の如しである。これに続き、「天上天下唯我独尊」とある。 この一文の意味を「世の中自分より尊いものはない」と誤解 | する向きもあるが決してその意味ではない。天上天下唯我独尊とは、この世に個として存在する「我」より尊い存在はないという人間の尊厳をあらわしている言葉で「我」は自分自身の意味ではなく個々人である。それぞれの存在が尊いものであるということ。領国経営に秀で、人心を掌握し、常勝軍団を創り上げた信玄ならではの旗印なのである。 |
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