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一魁斎芳年 大判三枚続 刊年:慶応二年六月(1866) 版元:不詳 絵師紹介

 山本勘助討ち死に直前の姿である。構図は次に掲載の、師国芳の作品(bO2)を受け継いだものになっている。上杉の鉄砲隊がこの浮世絵が刊行された時代(維新の動乱期)を反映して官軍風に描かれている点が注目される。武田を徳川に見立て、官軍に追い詰められた幕府軍を描いているように見えるのだ。従軍カメラマン的な思いで描いたのであろうか。 浮世絵が世相を映す現代のマスコミの役目を果たしていたことが感じられ面白い。
 絵画的にみれば、国芳に優るとも劣らない、芳年の技量がうかがえる人物描写である。勘助と将兵たちの描写に対し、鉄砲隊(官軍)の描写には人間味が感じられず、芳年にそういう意図があったのか興味深いところだ。

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