縁起物として扱われる蛇の抜け殻。蛇が地を這っているかのように自然な形でレイアウトしました。やや破れ落ちている部分もありますが、頭から尾の先までしっかり揃っています。
例年、春から秋にかけて抜け殻の額装は多数承っております。同じ抜け殻の額装でも、額装品の仕上がりは様々に分かれます。縁起物なので「寿」にしたり、とぐろを巻かせたり、真っすぐ伸ばしたりと多彩です。今回はゆったりとカーブを描いた額装となりました。ピンとまっすぐに伸ばすレイアウトと並んで、蛇らしさが際立つ仕上がりです。
いぶし銀の無骨なフレーム「AM2097」は派手すぎず、落ち着いた雰囲気を与えてくれます。抜け殻の額装というと、それこそどんなフレームが合うか想像しにくいと思いますが、いぶし系のフレームは合わせ易いので外れがありません。ちなみに同じようにカーブを描いた例として、額装例#2711があります。額装例#2711は金の浮かし材と金の背景により、雰囲気が全く異なっています。
抜け殻の飾り方は様々に分かれますが、基本的に自由に選択いただけます。コンパクトにすることも、真っすぐに長く飾ることも、お好みです。抜け殻の取り扱いに長けたスタッフにお任せください。
蛇の抜け殻のレイアウトについて
寿の形にレイアウトする
生まれ変わりを象徴する縁起物の蛇の抜け殻を、よりご利益が高まるように寿の形に飾ります。抜け殻の裏表(背中側と腹側)をぱたぱたと折り返して、一筆書きの要領で寿の形を作っていきます。
「寿」の場合、額縁がコンパクトになることが大きなメリット。また、サイズ感もある程度調整できるので、規格サイズの額縁を採用しやすくなります。
まっすぐに、平坦に飾る
蛇の長さを最大限に活かして、ひたすらまっすぐに、平坦に飾ります。抜け殻を折り返したり曲げる必要が無いので、抜け殻自体の鑑賞には最も適した額装方法です。太さのある抜け殻は形を整えにくいので、相対的にこういったまっすぐなレイアウトが向きます。
蛇の長さに応じた、細長い額縁が必要になります。飾る場所にも考慮しましょう。
自然にカーブさせる
這って動く蛇をイメージしたレイアウトです。筒状になった蛇の抜け殻の構造上、急なカーブを描くと皺が目立つため、ゆったりとしたカーブで形作るのがポイント。細くなったしっぽの部分は、好きに形を整えやすいので、丸め戻して額縁サイズを調整しても良いでしょう。
蛇の長さに応じた、細長い額縁が必要になります。飾る場所にも考慮しましょう。
右肩上がりにする
上記の「自然にカーブさせる」に類似した方法です。額縁を長方形にして、右肩上がりをイメージしてレイアウトします。オフィスなどに飾る場合に好まれます。
細長い額縁に比べ、額縁内のスペースに余白が多くなります。余白部分に何かを組み合わせて飾ることも一考の価値ありです。
その他の形にレイアウト
蛇の抜け殻を複雑な形にしようとすると、曲げ部分に皺が寄って見苦しくなってしまいます。「寿」のように折り返す手法を取らない限り、なかなか自由な形にすることは困難です。基本的には緩いカーブを描く程度でレイアウトを検討することになります。
ちなみに、ちぎれてしまった抜け殻を額縁に飾ることも可能なので、興味があればお問い合わせください。
蛇の抜け殻を額縁に飾るには
【湿気を与えて柔らかくする ⇒ 形を決める ⇒ 両面テープ等でポイント固定】
蛇の抜け殻の額装は、基本的に当店で抜け殻をお預かりして仕上げております。ビニール袋に入れた抜け殻を、ダンボール箱に入れてお送りください。ビニール袋には若干空気を入れて、クッション性を持たせると良いでしょう。無理に潰してしまうよりは、袋の中で若干動くくらいで構いません。
事前にお見積もり依頼をいただく他、お送りいただいた抜け殻に合わせて、こちらから額縁のご提案を差し上げることも可能です。
自然の中にあった抜け殻は、土で汚れていたり、場合によっては小さな虫の卵が付いていることがあります。中性洗剤を入れたぬるま湯に抜け殻を浸けて、皺や折れ目を優しく伸ばしつつ、汚れを落とすと良いでしょう。お預かりした抜け殻の状態にも寄りますが、基本的に額装前に当店で洗浄を行っております。
洗浄後は、なるべく平坦に形を整えて乾燥させるのがポイント。きれいに伸びた抜け殻なら、後の額装作業がスムーズになります。なお、縮まっていた抜け殻が伸びて、洗浄後に全長が大きく変わることがあります。
額装の際も、蛇の抜け殻に湿気を与えると形を整えやすくなります。濡れた新聞紙などに抜け殻を包んで、適度な湿気を与えてみましょう。抜け殻をまっすぐにして飾るか、丸めてコンパクトに飾るかをご検討ください。飾る場所も考慮しながら、抜け殻をレイアウトする形を考えましょう。
ご自分で額装する場合、まずは抜け殻の形を整えてみてください。抜け殻の形が決まらないと額縁の大きさも決められません。大きさが定まれば、額縁だけをご用意することも可能です。450×900など細長い規格サイズの額縁もございます。レイアウトの工夫次第では、規格サイズの額縁を使うことも充分可能です。
額縁に飾った抜け殻が、虫による食害にあうことがあるようです。
弊社が確認した状況では、本来は衣料品を食害する「カツオブシムシ」が見受けられました。
額縁を完全密閉して虫の侵入を防ぐことはできないため、
衣料用防虫剤の使用、定期的な点検や虫干しなどの対策をおすすめいたします。
ごくまれに起こる現象かと思いますが、ご承知置きいただけますようお願いいたします。