平らにした胴体部分が10cmを優に超える、極太の蛇の抜け殻の額装です。2.2mほどもある長さも目を引きますが、何より丸太のような太さに圧倒されてしまいました。まず日本には生息していない大きさなので、海外で求めた土産物でしょうか。丁寧に皺が伸ばされ、軽くラッピングされた状態の物をお預かりしました。
これだけの太さの抜け殻は、平らにまっすぐ飾るしか選択肢がありません。抜け殻を曲げてレイアウトしようにも、カーブ部分に大きな皺ができて曲げられないのです。それでもカーブを描くとすれば、折り紙を折るようにカクカクと曲げて形作ることになるでしょう。ちなみに抜け殻を「寿」の形にするときは、抜け殻を裏表にパタパタと折り曲げますが、こちらの抜け殻では太さがネックになって文字を作ることもできません。
ちなみに、弊社で用意できる額縁の最大長さは3180ミリです。(額縁内寸法)それ以上の大きさになると、表面カバーのアクリルをご用意することができません。アクリル無しの額縁とする手もありますが、いずれにせよ配送ができない可能性が高くなります。そこまで大きな額縁は、どちらかというと看板屋さんなどに相談すべき案件になります。
蛇の抜け殻のレイアウトについて
寿の形にレイアウトする
生まれ変わりを象徴する縁起物の蛇の抜け殻を、よりご利益が高まるように寿の形に飾ります。抜け殻の裏表(背中側と腹側)をぱたぱたと折り返して、一筆書きの要領で寿の形を作っていきます。
「寿」の場合、額縁がコンパクトになることが大きなメリット。また、サイズ感もある程度調整できるので、規格サイズの額縁を採用しやすくなります。
まっすぐに、平坦に飾る
蛇の長さを最大限に活かして、ひたすらまっすぐに、平坦に飾ります。抜け殻を折り返したり曲げる必要が無いので、抜け殻自体の鑑賞には最も適した額装方法です。太さのある抜け殻は形を整えにくいので、相対的にこういったまっすぐなレイアウトが向きます。
蛇の長さに応じた、細長い額縁が必要になります。飾る場所にも考慮しましょう。
自然にカーブさせる
這って動く蛇をイメージしたレイアウトです。筒状になった蛇の抜け殻の構造上、急なカーブを描くと皺が目立つため、ゆったりとしたカーブで形作るのがポイント。細くなったしっぽの部分は、好きに形を整えやすいので、丸め戻して額縁サイズを調整しても良いでしょう。
蛇の長さに応じた、細長い額縁が必要になります。飾る場所にも考慮しましょう。
右肩上がりにする
上記の「自然にカーブさせる」に類似した方法です。額縁を長方形にして、右肩上がりをイメージしてレイアウトします。オフィスなどに飾る場合に好まれます。
細長い額縁に比べ、額縁内のスペースに余白が多くなります。余白部分に何かを組み合わせて飾ることも一考の価値ありです。
その他の形にレイアウト
蛇の抜け殻を複雑な形にしようとすると、曲げ部分に皺が寄って見苦しくなってしまいます。「寿」のように折り返す手法を取らない限り、なかなか自由な形にすることは困難です。基本的には緩いカーブを描く程度でレイアウトを検討することになります。
ちなみに、ちぎれてしまった抜け殻を額縁に飾ることも可能なので、興味があればお問い合わせください。
蛇の抜け殻を額縁に飾るには
【湿気を与えて柔らかくする ⇒ 形を決める ⇒ 両面テープ等でポイント固定】
蛇の抜け殻の額装は、基本的に当店で抜け殻をお預かりして仕上げております。ビニール袋に入れた抜け殻を、ダンボール箱に入れてお送りください。ビニール袋には若干空気を入れて、クッション性を持たせると良いでしょう。無理に潰してしまうよりは、袋の中で若干動くくらいで構いません。
事前にお見積もり依頼をいただく他、お送りいただいた抜け殻に合わせて、こちらから額縁のご提案を差し上げることも可能です。
自然の中にあった抜け殻は、土で汚れていたり、場合によっては小さな虫の卵が付いていることがあります。中性洗剤を入れたぬるま湯に抜け殻を浸けて、皺や折れ目を優しく伸ばしつつ、汚れを落とすと良いでしょう。お預かりした抜け殻の状態にも寄りますが、基本的に額装前に当店で洗浄を行っております。
洗浄後は、なるべく平坦に形を整えて乾燥させるのがポイント。きれいに伸びた抜け殻なら、後の額装作業がスムーズになります。なお、縮まっていた抜け殻が伸びて、洗浄後に全長が大きく変わることがあります。
額装の際も、蛇の抜け殻に湿気を与えると形を整えやすくなります。濡れた新聞紙などに抜け殻を包んで、適度な湿気を与えてみましょう。抜け殻をまっすぐにして飾るか、丸めてコンパクトに飾るかをご検討ください。飾る場所も考慮しながら、抜け殻をレイアウトする形を考えましょう。
ご自分で額装する場合、まずは抜け殻の形を整えてみてください。抜け殻の形が決まらないと額縁の大きさも決められません。大きさが定まれば、額縁だけをご用意することも可能です。450×900など細長い規格サイズの額縁もございます。レイアウトの工夫次第では、規格サイズの額縁を使うことも充分可能です。
額縁に飾った抜け殻が、虫による食害にあうことがあるようです。
弊社が確認した状況では、本来は衣料品を食害する「カツオブシムシ」が見受けられました。
額縁を完全密閉して虫の侵入を防ぐことはできないため、
衣料用防虫剤の使用、定期的な点検や虫干しなどの対策をおすすめいたします。
ごくまれに起こる現象かと思いますが、ご承知置きいただけますようお願いいたします。