マットは一般額と組み合わせて使う、
額装に欠かせない重要なパーツ。
マットは作品と額縁の間に位置し、
余白を埋めることで体裁を整え、
額装の品格と保存性を高めます。
額縁はマットとセットで使うのが基本なのです。
額装マットのご注文はこちらから承っております。
額装マットの役割
役割① 寸法の不一致を調整する
額縁には豊富な規格サイズがありますが、
例えば任意の大きさに切り出した紙など、
全てのサイズに適合することはできません。
額装マットで寸法の不一致を調整しましょう。
マットを組み合わせることで、
規格サイズの額縁を違和感無くお使いいただけます。
役割② 額装の品格を上げる
額装マットが加わることで、
仕上がりに奥行きと広がりが生まれます。
ホテルや喫茶店に飾られた額縁を思い出してください。
ほとんどが「額縁+マット」の形になっているはずです。
あくまでも額縁はマットと組み合わせるのが基本。
マット無しの額装は窮屈で見栄えのしない、
あまり一般的な方法では無いのです。
役割③ カラーコーディネートをはかる
当店では、70色以上のマットをご用意しております。
お好みの額縁、お好みのマットを組み合わせて、
想い出の品物が映える衣装に仕上げましょう。
多数取り揃えたマット色のバリエーションの他、
ダブルマットや面金加工など、
マットを彩るオプション加工も可能です。
役割④ トリミングする
窓抜きしたマットを品物に被せることで、
品物の一部分だけを見せることができます。
マットの下に品物が挟めばいいので、
飾る品物をカットする必要はありません。
マットカッターの正確なカットで、
ピンポイントでトリミングすることが可能です。
さらには円形やデザインカットで、
新たな表現の可能性も広がります。
役割⑤ 額縁に飾った品物を保護する
額装マットを入れることで、
作品と表面カバーの間に空間が生まれます。
この数ミリの空間が、保存状態を高める大きなポイント。
例えば額縁内部に結露が発生した場合、
作品がカバーに付いた水滴を吸収する羽目になります。
絵の具によってはカバーとの癒着の危険もあります。
良質なパルプを主原料としたマットは、
密着を防いで湿気も吸収、額縁内部の環境を整えます。
マット窓抜き寸法の決め方
マットには任意の大きさで窓抜き加工を施します。
下記の4パターンを参考に適正な窓抜き寸法を算出してください。
いずれのパターンでも、窓抜き寸法は額縁に飾る品物よりも小さい必要があります。
例えばA4用紙(210×297)を飾る場合、210×297の窓抜きでは用紙を固定できません。
200×287程度の窓抜き寸法を設定し、品物周囲に被さる部分を作りましょう。⇒参考画像
【品物よりも若干内側の寸法とする】
品物全体を見せたいときの窓抜き方法です。
全体の大きさから10ミリ程小さくしましょう。
同じ大きさの窓抜きでは、品物が飛び出します。
【イメージに余白を足した寸法とする】
主に絵の外のサインを出すときが該当します。
サイン分の余白と、他の3辺にも余白を取ります。
サインのある側だけ余白をとるのはNGです。
【不定形の作品はゆとりを大切に】
主に境界のはっきりしない水彩画が該当。
狭く作品を区切ってしまうのではなく、
作品の広がりを大切に窓抜寸法を決めましょう。
【お好みの余白をとって窓抜き寸法とする】
余白の大きいイラスト、書などが該当します。
上部の余白を特に大切に。窮屈なのはNGです。
定規などで区切ってみると想像しやすいです。
窓抜き無しのマットで額装する
マットを「窓抜き無し」とし、
品物を乗せて飾ることも可能です。
・品物と表面カバーが密着して保存性に劣る
・額装に奥行きが生まれない
といったデメリットがありますが、
飾る品物の周囲を隠さず全て見せることができます。
表面カバーで押し付けるだけでは固定が弱いので、
両面テープ等を使って固定を補助してください。
適正なマット幅を考える
バランスよく見せる、マット幅の基本を解説します。
40~80ミリのマット幅が理想です
窮屈な仕上がりにならないよう、
マット幅は40~80ミリを目指します。
片側で40~80ミリなので、必要な額縁サイズは、
窓抜寸法よりも80~160ミリ大きいことになります。
仕上がり全体の大きさに合わせて、
徐々にマット幅も広めにとると良いでしょう。
こちらの「額縁の適正サイズ検索」で、
仕上がりのバランスをご確認ください。
上下左右のマット幅が異なるぞ!
一般額のサイズ展開はとても豊富ですが、
上下左右のマット幅がぴったり揃うことはまれ。
基本は均等なマット幅を目指しますが、
10~15ミリほどのずれは許容しつつ、
額縁サイズを選択しましょう。
どうしても均等なマット幅にこだわるなら、
こちらから特注サイズの額縁製作も可能です。
長手方向が広くなる分にはOK!
長手方向のマット幅が広くなると、
バランスが良く安定した仕上がりになります。
長手のマット幅が広い場合は、
むしろ好ましいサイズだと捉えましょう。
逆に短手方向のマット幅が広い場合、
寸詰まりに見えるので注意が必要です。
特に細長い額縁の場合は、
長手のマット幅を広く確保するのがコツです。
窓抜位置の微調整も承ります
窓抜は中央に行うのが普通ですが、
位置の調整も無料で承ります。
通常通りマットをご注文の上、
清算ページの要望欄で位置をご指定ください。
彫刻プレートを貼りたい場合などに有効です。
左の額装例はメインの窓抜を上にずらし、
下部にもう一つ、小さな窓抜きを行いました。
※複数窓抜き加工は別料金です。
マットのカラーバリエーション
額縁のタカハシでは全国でも有数の、豊富なマットを在庫しております。
お手元の品物とフレームのカラーコーディネートをお楽しみください。
並マット
カラーが豊富なスタンダードマット。
マットの王道は白系で、中でもクリーム色が大定番。
白のマットは面白みが無いと思うかもしれませんが、
マットは作品の引き立て役、やはり白系がおすすめです。
とはいえ額装に決まりは無いので、お好みの色でもOK。
「派手な色を使いたいけど大丈夫かな?」というときは、
後述するダブルマットの下段に使うのもお勧めです。
上マット
特徴的なカラーや、特厚マットを含む上マット。
カット面のエッジに色が入ったマット、
きらきらと光沢のあるマットなどが選択可能です。
特徴的なマットであなただけの額装をお楽しみください。
3ミリ厚の特厚マットは重厚な仕上がりになります。
小さめの作品には重苦しくなってしまうので、
大き目の作品や濃密な作品におすすめ。
表面カバーと作品の間を広くとりたい場合にも有効です。
特上マット
存在感のある、布貼りもしくは特殊紙貼りのマット。
スエード系は際立つ高級感で大人気!
麻布系は洋風の上品な仕上がりが期待できます。
紙どんす系は和風の作品の引き立て役。
石材のようなムラサメ系は、エッジの黒も特徴です。
作品よりもマットに目が行ってしまうと本末転倒なので、
マットの存在感に負けない、力強い作品におすすめ。
絵画以外の、賞状やメダルの額装にもよく合います。
額装マットのご注文はこちらから承っております。
マットのオプション仕様とカット技法
マットには四角の斜め切りカット(標準四角窓)をするのが普通ですが、
お客様のご要望に従い様々な加工を施すことが可能です。
標準四角窓
四角形の窓を、マットの真ん中に開けます。
もっとも一般的なマットの使い方と言えるでしょう。
カット面は45度の斜めにカットされます。
窓抜き位置を中心からずらすことも可能です。
通常通りマットを注文した後、
カート画面の要望欄にて、窓抜位置をご指示ください。
金額の加算なく窓抜き位置を変更いたします。
窓抜き無し
窓抜きをしないマットをご用意いたします。
マットの上に品物を乗せて額装してください。
品物の端まで見せる必要がある場合に適しています。
上乗せ額装の場合、品物と表面カバーが密着する、
額装に奥行が出ないといったデメリットがあります。
基本的には窓抜きして額装しましょう。
ちなみに標準四角窓と窓抜き無しの価格は変わりません。
お奨め!ダブルマット
マットを2枚重ねて使います。
基本は上段マットを白・グレー系などの落ち着いた色で、
下段を赤・青・グリーンなどの濃い目の色にすること。
挿し色が加わるとともに、額装に奥行も増します。
刺繍などの額装では、ガラスと作品の間に余裕が生まれ、
作品の風合いが損なわれずに額装できます。
[下段マットの色見え幅]の標準は約1.8ミリです。
見え幅の変更は、清算ページの要望欄にご記入ください。
面金加工
通常、マットの窓抜き部分は斜め45度にカットし、
45度のカット面を見せ、奥行きとメリハリを強調します。
面金加工とは、カット面に金・銀などの装飾すること。
取り付けられた面金は、白いカット面以上に
奥行きと豪華さを演出し、額装を華やかにします。
面金は四角の窓抜きのみ取り付け可能です。
面金は全6種類でご用意しております。
定番はPDゴールドですが、お好みでご選択ください。
面金加工は、マット外寸(≒額縁内寸法)の大きさに制限があります。
「長手が901ミリ以上、もしくは長手短手の合計が1351ミリ以上」だと製作不可。
丸窓
マットの外側は四角形に、窓抜きは円/楕円にします。
卵型などは難しく、通常対応できるのは円/楕円形です。
円状に描かれた作品に適したマッティングが可能です。
円形の窓抜きは角部分のマットが広く見えるため、
額縁の大きさを小さめにするのがポイントです。
別途お見積りでの対応になりますが、
円形額縁用に円い外寸法のマットもご用意できます。
溝加工
窓抜きの周囲に溝を付けて立体感を出します。
溝が一本あるだけで、額装の印象はガラリと変わります。
ダブルマットほどのコントラストは出ませんが、
ダブルマットよりも安価に額装を彩ることができます。
溝加工マットとダブルマットを組み合わせるなど、
特殊加工のマットもお見積りいたします。
扇面カット
和風の作品に良く見られる、扇面に合わせた窓抜です。
扇面はカーブの具合がまちまちで、加工に難儀します。
別途お見積りをいたしますのでご相談ください。
基本的には実際の作品に合わせて、
窓抜きを調整しつつご用意することになります。
特殊マットのお見積り
デザインカット
個性的なデザインマットをお作りします。
デザインカットの種類は紹介しきれないほどありますが、
ネットでのご案内が難しく、一部の紹介となっています。
ご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。
額装のイメージを伝えてお任せいただいても結構です。
マット デザインカットのお見積り・ご注文
マットに品物を固定する
額縁とマットが届いたら、品物をセットしましょう。
品物はマットに貼り付けて固定するのが基本です。
額縁の裏板を外して、マット裏面から品物を合わせます。
位置を決めたら、上部2箇所をテープで止めてください。
固定が心許ない気がしますが、紙は伸び縮みします。
収縮の逃げ道を残すため、テープの貼り過ぎはNGです。
テープが貼れない場合は、四隅のポケットで固定します。
固定力は弱くなりますが、品物にテープが付きません。
額装マットのご注文はこちらから承っております。